働き方が変わっても「協力関係が築ける」ことが重要
多くの職場で、日々働き方には変化が起こっています。
働き方の変化に合わせて、コミュニケーション方法もアップデートする必要性があります。コミュニケーションのアップデートとは、意図的に「感情を分かち合う」ことを増やすことです。
また、アップデートするためには、コミュニケーションの本質をつかんでいなくてはいけません。
コミュニケーションの本質とは、ここで一貫してお伝えしている「思考」と「感情」を伝達することです。指示・命令を伝えるだけで完了する仕事は、未来にはすべてAIにとって変わっていくでしょう。
感情を分かち合うことが大切だと言える、二つの理由
①オンライン化による働き方の多様化
多くの仕事はzoomなどを用いて、オンラインで画面越しに進められることが増えました。私自身もクライアントとのセッションや、執筆に関するミーティングなど、いまではzoomミーティングを活用する機会が非常に多いです。
オンラインを活用して働くことが一般化し、以前のように同じ時間、同じ場所に人がいるとは限らなくなりました。
時間も場所も自由度が高まり、そのメリットは言うまでもなく、移動コストがかからないこと、そして特定の場所に縛られず仕事ができることです。
しかし、デメリットもあります。「場の共有」がないために、視覚や香りなど五感に訴える情報が少なくなることです。つまり、「空気を読む」とか「察する」といった、「体感」によっての情報収集が難しくなっているのです。
「空気を読む」とか「察する」というのは、その場に流れている感情に対する反応で、要はその場にいたら「なんとなくわかる」というようなこと。
しかし、オンラインでは感情をしっかり言葉にしないと伝わらない、また、感情を言葉にしていないことが原因で、誤解されて伝わってしまうということがあります。
オンライン化による働き方の多様化は、効率と便利を生み出しました。効率的で便利なものを仕事で上手に使いこなすためには、「感情を分かち合う」ことを意識してコミュニケーションの質を向上させましょう。
②あらゆるものが細分化された世の中で、常識的な表現が消えていく
「常識的に考えて」とか「一般的には」というのは、やや乱暴な言い方をすれば、大多数の人が信じていることや当然だと思っていることです。
「大多数の人が」というのがポイントです。
昭和という時代には流行にまとまりがありました。しかし、平成、令和と進むにつれて、人々の好みはどんどん細分化されていったのです。細分化にともない「一般的には」という表現は、コンセプトを共有する小さい集団の中でしか使えなくなってきているように感じています。
その流れの中で、人々は自分と他者の「違い」にとても敏感になりました。この現象は「個性」に着目し、個人が尊重される時代の流れをつくっていきました。
同時に「対話に疲れてしまう」という現象も生み出していると思います。
一人ひとり違う存在なのは当然です。しかし、その違いばかりをクローズアップしていると、「一緒だね」と感じられなくなる。「一緒だね」は共感につながり、安心感へとつながっていきます。
何もかもを具体的にすることだけが、人間関係の中で大切なわけではありません。「考えは違うところもあるけど、同じ気持ちを感じているんだね」が着地点であってもいいのです。
気持ちを伝えることで「大まかな合意」が可能になります。「大まかな」とか「だいたい」というのは、人々が仲良くしていくうえでとても大切なキーワードです。
コンセプトが違う、趣味趣向が違う、そういう人たちとの対話から新しいものが創造されていきます。「感情を分かち合う」を意識すると、さまざまな違いを認め、受け入れることがスムーズになります。
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