(※写真はイメージです/PIXTA)

思い通りに動かないチームを前に、多くのリーダーは「いかに部下を動かすか」に執着するようになります。上司として、リーダーとして、部下を動かそう、チームをまとめようと、間違った努力を始めるダメなリーダーの共通点があるといいます。エグゼクティブコーチの大平信孝氏が著書『部下は動かすな。』(すばる舎)で明らかにします。

【関連記事】「部下は動かすな」…上司、リーダーの本当の役割とは?

リーダーに不可欠な「俯瞰的に全体を観察」

ここでは「チームがうまくいかないと嘆くリーダーの共通点」をご紹介します。これらの行動をやめるだけでも、チームはよくなります。

 

該当する項目がないか、確認しながら読んでみてください。

 

①相手のことも、自分のことも知らない

 

チームをうまくマネジメントできていないリーダーの傾向のひとつが、部下の現状、部下を取り巻く環境、部下一人ひとり違う個性・強み・コンディションへの理解不足です。部下の状況が掴めていないのに、上司側の要求を一方的に投げつけるだけで終わってしまっています。

 

部下の把握ができない原因をもう一段深く掘り下げてみると、「リーダー自身」が自分の現状や個性・強み・コンディションを理解していないのです。

 

自分自身の心身の状態、モチベーション、仕事や会社、部署への思い、自分の強みと弱みを知らない人が、ほかの人のことをどうやって理解するのでしょうか。

 

ある意味で、人は自分自身と比較することでしか、相手を知ることができません。つまり、自分を知っている深さでしか相手を知ることはできないということです。

 

「自分自身のことを深く知れ」と、今さら言われても、やるべきことやノルマに手一杯で、そんな悠長に構える余裕などないと思われた方もいるかもしれません。

 

そんな方にこそ、実践してほしいのです。なぜなら、これがリーダーシップを発揮し、チームで成果を出すための効果的な方法だからです。

 

そもそもリーダーがほかの部下と違うことは何か?

 

部下は目の前に与えられた課題や目標に対して、適切に行動していけばある程度の成果を出せますが、リーダーは違います。

 

リーダーは「全体を把握」し、適切に「チームをリード」して目標を達成すること。

 

つまり、リーダーは「俯瞰的に全体を観察する」ことが大事になります。

 

これがさきほどお伝えした「知る」にもつながります。

 

「知る」には、「相手」と「自分」の両方が含まれていなければなりません。

 

チームの成果を最大化するというミッションをリーダーは持っています。そのミッション遂行のために、まず「メンバー」に向きがちな視点を、まず「自分自身」に向けることからスタートしていただきたいのです。

 

この順番を押さえる、スタートポイントを変えるだけでリーダーシップは、驚くほどスムーズに発揮できるようになります。

次ページダメなリーダーは「強いチームの真似をする」

※本連載は、大平信孝氏の書籍『部下は動かすな。』(すばる舎)から一部を抜粋し、再編集したものです。

部下は動かすな。

部下は動かすな。

大平 信孝

すばる舎

「部下が動いてくれない」「部下が一向に成長しない」「怒っても褒めてもうまくいかない」「チームが全然まとまらない」「リーダーとしての自信がない」… このような悩みを抱えるリーダーのあなたは、なんとかして部下・チ…

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