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リーダーシップの「順番」を間違えている
うまくいかないチームには共通点があります。
それは、「チームを強引に変えようとしている」ことです。
これは「部下を動かす」と本質的には同じことです。
会社組織という指揮命令系統はありますが、そこにいるのはひとりの人間であり、一人ひとりに考えや思い、感情、人生があります。
そもそも、リーダーが勝手気ままに動かしたり、操作したりできるものではないのです。
指揮命令系統があるからこそ、リーダーシップやチームマネジメントとなると、「いかに部下を効率よく動かすか?」ということだけに意識が向きがちです。
これでうまくいけばいいのですが、ほとんどの場合は、反発心が生まれたり、モチベーションが下がったりとマイナスに作用します。
ではどうすればいいのか?
建物を建築するのに、設計図、基礎工事、建築といった順番があるように、リーダーシップを発揮するためにも「順番」があることを知ってください。
まず自分を知って動かす、次に相手のことを知る。その後、はじめてリーダーシップを発揮していくことができます。
つまり、リーダーシップを発揮しチームをまとめていくには、「まずリーダーが自分にフォーカスする」こと。意志力を自分に対してまず使うのです。
「部下が動かないのは、リーダーシップの『順番』を間違えている」 だけなのです。
■「リーダーシップ構築」には順序がある
私は、これまで10年以上にわたり、様々な経営者・現場リーダーの方々に対して、研修やエグゼクティブコーチングを行ってきました。
これまで、「うまく機能しているチーム」のリーダーも、「バラバラなチーム」のリーダーも、両方サポートしてきました。
どちらのリーダーも、お話を伺うと「同じようなこと」をしているのです。それでも、部下が自然と動き、成長して成果の上がるチームと最低限ノルマを嫌々こなして、バラバラに解体していってしまうチームに分かれていきます。
その違いは、どこにあるのでしょうか?
もしかしたら、同じようなことをしていても大きな差が出るということは、誰から見ても尊敬されるような人や能力や成果が突出した特別な才能のある人しかリーダー
は務まらないのではないか。これといったすごい才能や突出した成果を出しておらず、人格者というわけでもない自分には難しいのではないか、と思われた方もいるかもしれません。
確かに、私が今までサポートしてきたリーダーの中には、生まれながらにしてマネジメントやリーダーシップ発揮が得意という方もいます。
少しお話を伺っているだけでも「この人についていきたい!」「この人のためなら多少の苦労も厭わない」と思えてしまうのです。