(※写真はイメージです/PIXTA)

これまで1万5000人のリーダーやビジネスパーソン、会社組織に対して研修やコーチングを行ってきたエグゼクティブコーチがいます。一人ひとりから話を聞き、悩みや思いに寄り添い伴走してきて、十数年にわたり仕事をし続けてきたひとつの結論が、「部下は無理やり動かしてはいけない」というものだいいます。エグゼクティブコーチの大平信孝氏が著書『部下は動かすな。』(すばる舎)で明らかにします。

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自ら勝手に動き出す部下やチームが強い

「部下は動かすな」

 

このタイトルを見て、どう思われたでしょうか。

 

「部下を動かすのが上司、リーダーの仕事なのでは?」
「部下が主体的に動かないから、指示命令して動かさざるを得ないんだけど……」

 

このように思われた方もいるかもしれません。

 

この本は、何もただの逆張りをしたかったわけではありません。

 

私はこれまで1万5000人のリーダーやビジネスパーソン、会社組織に対して研修やコーチングを行ってきました。一人ひとりから話を聞き、悩みや思いに寄り添い伴走してきました。

 

十数年にわたりこの仕事をし続けてきた私のひとつの結論が、「部下は無理やり動かしてはいけない」というものです。

 

あなたがリーダーであれば、次のような悩みを抱えているのではないでしょうか。

 

・自分の指示や思いが伝わらない
・部下が何を考えているかわからない
・「受け身の姿勢」や「主体性のなさ」にイライラする
・自分で考えずに、すぐに答えを聞いてくる
・部下同士の仲が悪く、チームとしてまとまりがない
・自身のリーダーシップに自信が持てない
・性格的にリーダーに向いていない気がする
・プレイヤーとしての仕事に忙殺されて、リーダーの仕事が後回しになっている

 

そんな悩みを抱えているリーダーに、この連載を読んでいただきたい。

 

■部下が動いてくれる人、動いてくれない人

 

「なぜ部下を動かしてはいけないのか」については詳しくお伝えしますが、端的にいえば、「部下を動かそう」「チームを変えよう」とすればするほど、うまくいかなくなるケースが多いからです。

 

・ビジネス書で書かれているマネジメントのやり方を真似する
・できていないこと、改善すべきところを見つけて指摘する
・叱咤激励をしてモチベーションを高める
・より具体的に指示命令をする

 

これらは一見、部下を動かすいい方法に思えるかもしれません。実際、動かない部下やモチベーションの上がらない部下、まとまらないチームを指揮している方であれば、取り入れたことがあるのではないでしょうか。

 

しかしこれらは一時的な改善はできても、本質的には変わりません。そして何より、部下が育ち、チームが強くなることはなく、同じ状況が続くことになってしまいます。

 

なぜなら、「会社や上司が言ったから動く」ではチームは強くならないからです。そうではなく、自ら勝手に動き出す部下、チームが一番強いのです。

 

「部下を動かす方法」を色々考え実行したところでうまくいかないのは、実のところ、一番大事な「ある視点」が欠けているからです。

 

それは 「あなたは誰か?」 という視点です。

 

「何をするかではない、誰とやるかだ」というフレーズを耳にしたことがありますか。

 

確かに、仕事でもプライベートなことでも「何を」「どのようにやるか」も大切です。でも、決定的な違いが出るのは「誰とやるか」です。

 

ただこの言葉は、誰とやるのかを「自分が選ぶ」という前提に立っています。

 

次ページ誰でも実践できて効果が出る方法を紹介

※本連載は、大平信孝氏の書籍『部下は動かすな。』(すばる舎)から一部を抜粋し、再編集したものです。

部下は動かすな。

部下は動かすな。

大平 信孝

すばる舎

「部下が動いてくれない」「部下が一向に成長しない」「怒っても褒めてもうまくいかない」「チームが全然まとまらない」「リーダーとしての自信がない」… このような悩みを抱えるリーダーのあなたは、なんとかして部下・チ…

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