(※写真はイメージです/PIXTA)

現場に深く入り込んで課題を抽出し、クライアント企業と一緒に課題解決をするコンサルティング手法「ハンズオン型」コンサルティング。オーダーメイドと同義だと思われるケースが多いのですが、実情はまったく違います。中小企業の経営を劇的に改善する手法について、中小企業コンサルのプロフェッショナルが解説します。

ハンズオン型コンサルティングの《3つの特徴》

【1】現場に深く入り込んで行う「現状分析」

どのようなコンサルティングでも同じことがいえますが、組織改革が成功するか失敗するかは、まず「正しい現状分析ができているかどうか」で決まります。

 

現状分析がまちがっていれば、そのあとどれほどすばらしい計画を立てようと、どれほど実行力があろうと、すべて水の泡です。正しい現状分析こそ、コンサルティングのすべての起点になります。

 

そのためハンズオン型コンサルティングでは、クライアント企業の現状を正確に把握するために深く現場に入り込みます。具体的には、まず現場の全社員と面談を行い、不満や他部署に対する批判など、社員の本音を上手に引き出していきます。また、実際の現場に赴き普段どのように業務が行われているのかも細かく確認します。

 

もちろん、経営者や幹部社員とも面談を行いますが、経営層の話を鵜呑みにするようなことはしません。大事なことは経営層の要望を踏まえたうえで、現場でいったい何が起こっているのかを正確に把握することなのです。

 

例えば、ある会社では経営者から売上が伸びない理由を尋ねられた幹部社員が、「競合他社が安売り攻勢をかけてきているからだと考えています」と答えて、会議が紛糾しました。

 

実際には、自社の営業マンが忙し過ぎて、新規顧客を開拓できていない点が問題でしたが、部下を守りたい一心の発言が、経営者の逆鱗に触れてしまったわけです。仮に、そのような推測を前提に対策を講じてしまったならば、営業マンの繁忙度はさらに高まり、競合他社との差はどんどん開いていったことでしょう。

 

こうした話は、笑い話か質の悪い冗談のように映るかもしれません。しかし、筆者自身は、かなりの確率でこのようなエピソードに遭遇しています。

 

会社が大きくなるにつれ、正しい情報が入ってこなくなる確率が高くなります。そして、経営者が優秀であればあるほど、このジレンマは大きくなっていきます。

 

そうなるからこそ会社は伸び悩むわけですが、経営者がいくら社員を怒鳴りつけ正しい報告を促したところで、問題は絶対に解決しません。だからコンサルタントが経営者の代わりに、現場へ深く入り、事実に基づいて現状をすべて掌握し、そのうえで正しく分析していく必要があるのです。

 

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本記事は、山中一浩著『驚くほど業績が上がる 中小企業のための「コンサルティング」活用術』(GMC)を抜粋・再編集したものです。

驚くほど業績が上がる 中小企業のための「コンサルティング」活用術

驚くほど業績が上がる 中小企業のための「コンサルティング」活用術

山中 一浩

幻冬舎MC

会社を成長させるには、販売網や顧客基盤の拡大、事業の多角化、また優秀な人材の確保と定着など、さまざまな課題を解決していくことが必要です。 特に中堅・中小企業では、経営者自らが先頭に立って、業績向上の取り組みを…

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