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コンテンツを絶えず発信するが重要に
その際、ブランドのリテールタイプやカテゴリーを意識して、コンテンツを絶え間なく発信することが非常に重要である。1つひとつのメッセージやタッチポイント、顧客とのやり取りは、いずれもあなたが選択したリテールタイプのポジションをはっきり表現し、そこに命を吹き込み、強化するものでなくてはならない。
その結果、継続的なコンテンツの循環が生まれる。この循環のなかで、顧客の声や反応から得られた知見やひらめきを再びコンテンツの制作作業に反映し、さらに説得力ある新たなメディアづくりに生かしていくのだ。
だが、本領を発揮するのは、ここからだ。1つひとつの店に制作スタジオがあったら……と想像してみよう。店内イベントや商品発売、商品デモ、インフルエンサーの出演などをコンテンツに盛り込み、メディアのエコシステムに加えたらどうだろうか。顧客に送りつける広告量を増やすのではなく、独自のおもしろいコンテンツを顧客が心から楽しみたいと思うようになると、とたんにコンテンツの制作、露出、顧客とのやり取りが爆発的に増加する。
そんなのは当たり前だと思うかもしれないが、ではなぜあなたのブランド、あなたの店はそういう状況になっていないのか。改めて問い直す必要がある。なぜブランド各社は、手当たり次第に顧客に送りつける鬱陶しい広告に相変わらず頼っているのか。そればかりか、同意もないのに私たちを尾行するようなツールにまで次々に投資しているではないか。私たちがぜひ読みたいとか、体験したいと思わせるような充実したメディアを作ろうとしないのはなぜか。
こうした一連の疑問は、1行で言い表せる。ほとんどの企業経営者は、何だかよくわからない戦術に手を出すくらいなら、うまくいきそうになくても馴染みのある戦術を採用するほうがましと考えているのだ。なんと荒っぽい判断かとあきれるが、現実に行われていることである。
小売業界全体が揃いも揃って長年、インターネットの誘惑に必死に抵抗してきたのは、ネット販売が眉唾ものだったからではなく、小売業界のほとんどの経営陣がインターネットやその可能性を理解できなかったからである。そこで不安になるのは、私たちがいったいどんなことを理解できていないのかだ。
また、まったく独自の新しいものを生み出すリスクを背負い込むよりも、クリックしてくれそうな新しいトラップや目先を変えたトラップを地雷のようにメディアに仕込み、刷新したと上司に説明するほうが簡単なのである。
一方、インタラクティブ性の高い優れたコンテンツの制作には、独創性が不可欠だが、それを担うクリエイティブな作業やスタッフに対して、不快感を抱く経営者が驚くほど多いのだ。にわかに信じられないかもしれないが、各種調査によれば、「独創性を認めてくれとか受け入れてくれと言われても、まったくなす術がない」と感じている経営幹部は50%以上に達することがわかっている。
多くのリーダーにとって、独創性とは、不快感、半信半疑、リスクの元にしか見えないのである。ほとんどの企業は、口では独創性が財産だと持ち上げているが、意味のあるかたちで報いている例はほとんどないのが、その証拠だ。
もっと言えば、自社のマーケティング活動にとりたてて独創性が見られないとしても、あながち広告代理店のせいとは限らないわけだ。代理店が独創性あふれる素晴らしいアイデアを持ってきたとしても、社内で握りつぶされている可能性があるからだ。とにかく、顧客に魅力あるインタラクティブなコンテンツを提供せず、リターゲティング広告やバナーからの購入にこだわっていれば、勝ち目のない戦いに挑んでいるのと同じだ。
幸いにも、これまでのやり方を帳消しにできるパンデミックという絶好の機会が訪れた。