業務上必要な会話は最低限のリアクション
■めんどくさい上司から自分を守るのコツ―できるだけ反応しない
相談することの重要性をお話ししましたが、相談しても解決までに時間がかかる場合や、協力を得ることが難しいこともあるでしょう。
ここからは、そうした場合に自分で自分を守る術をお伝えしたいと思います。会話をする際にできるだけ反応しないようにすることです。
上司との会話で無反応なんて無理、と思われるかもしれませんが、反応しないといっても返事もせず、無表情で対応するということではありません。
ここでいう「反応しない」とは、相手が求めていることを簡単に提供しない、ということです。
たとえば、めんどくさい上司が「相づちを打ってほしそうだな」「同意してほしそうだな」という時に、適当に合わせてしまっていませんか?
たしかに、同意するそぶりを見せればその場をやり過ごすことはできるでしょう。
しかし、それを何度も繰り返しているうちに、相手はあなたの優しさにつけ込んで、どんどん要求をエスカレートさせていきます。
普通は、円滑なコミュニケーションは重視したいものですが、めんどくさい人たちに愛想を振りまいたり、逆に感情のままに対応することは上策とは言えません。
業務上必要な会話は、最低限のリアクションで十分です。
「打てば響く人」「何か言うと簡単に感情的になる」と思われたら、相手に利用するチャンスを与えてしまうのです。
とはいえ、急に態度を変えようとしても、今日、明日でスパっと変えられるわけではないと思います。
いつも愛想よく対応してくれたあなたが急に無口でそっけない返事しかしなくなれば、周囲の人たちも「体調が悪いのかな?」と心配するだけでなく、最悪の場合、あなた自身への評価が下がることにもなりかねません。
そうならないようにするためにも、自分なりのステップを踏んで対応を変えていくことをおすすめします。
いきなり大きく態度を変えようとするのではなく、毎日小さな目標を作って実践していくことで、徐々に反応を変えていくのです。
たとえば最初は、「今日は上司が相づちを打ってほしそうなところで、1回スルーする」などでも構いません。
こうしたことを毎日少しずつ積み上げて、最終的には、
「あの人なんだか変わっちゃったな。反応が薄くて何を考えているのか分からない」
と思われるレベルがゴール。