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具体的な解決につながりやすい「相談」
職場では、プライベートとは違って自分の意志で相性の悪い人を避けることが難しいことも多いですよね。
それが上司ともなれば、もやもやしたり、嫌な気持ちを抱えながらも、なんとかうまくやっていこうとする人が多いのではないでしょうか。
めんどくさい人とは物理的な距離をとるのが最も重要だとお話ししましたが、自分の評価が下がるかもと思うと、できるだけ波風を立てないようにしたいという気持ちになるのは自然なことかもしれません。
ところが、心身の健康を考えると、それはベストな方法とは言えません。
無理して人間関係を保とうとするあまりストレスが溜まり、適応障害やうつ病を引き起こすこともあるのです。
一度病気になってしまうと、回復にはかなりの時間がかかります。
そのような事態を避けるためにやるべきことはたった1つ、相談することです。
当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、ここで重要なのは相談する相手です。
まずは、相性がよくない上司の上役や、人事総務部に相談してみましょう。
人がいいあなたにとっては、こうした相手に相談することはことを大きくするようで気が引けるかもしれませんが、同僚間で悪口を言っているだけでは、一時的に気分がよくなったとしても、根本的な解決にはつながりません。
さらに、会社組織は従業員が長期間仕事を休むことを、大きな損失と考えます。リスクを回避するために、配置転換や、第三者を挟んで指示系統を変えるなど、何らかの対策を打ってくれることも少なくありません。
1人で抱え込むよりも、具体的な解決につながりやすいのです。
また、もしあなたの会社に産業医が在籍している場合は、産業医を頼るのも1つのよい手段です。
いきなりハードルが高く感じられるかもしれませんが、あなたの状況や悩みを第三者視点で会社に伝えることができるだけでなく、産業医の意見は会社に受け入れられやすいというメリットもあります。
さらに、原則として1社につき1度限りではあるものの、産業医の申し立てにより配置転換を希望することも可能です。
黙っていては誰もあなたの状況に気づいてくれません。
大きな不調を抱えてしまう前に、合図を送るつもりで相談してみましょう。