(※写真はイメージです/PIXTA)

大腸の検査は大変、というイメージをお持ちの方は多いだろう。しかし、バイデン大統領は大統領権限を一時的に委任してまで検査を受けに行っており、また、検査を行う側である齋藤宏章医師も「受けておかないともったいない」と強調する。なぜ大腸検査を受けるべきか。大変でも我慢するしかないのか、もっと苦痛の少ない手段はないのか。改めて知ってほしいメリットや、近年の変化について見ていこう。

「大腸カメラ=痛い検査」は意外と過去の話

大腸の検査をすすめると、「昔の大腸カメラの検査は痛かった、大変だった」と過去の検査中の苦痛が、その後の検査をためらわせているケースに遭遇することが少なくない。だが、実は最近の検査は苦痛を緩和する方法が取られている。その一つに鎮静剤の使用がある。

 

上述のバイデン大統領の例では、大腸カメラ施行の際に、麻酔の使用=意識がなくなるために、大統領権限の移行が行われている。実は米国やヨーロッパでは通常の大腸カメラを行う時に麻酔や鎮静剤を使用して行うことが珍しくない。2006年に米国で行われたアンケート調査では、実に98%以上の胃カメラや大腸カメラは鎮静剤を併用して行われていた。

 

■日本でも鎮静剤を使用できる病院・クリニックが増加中

最近では日本でも鎮静剤を使用して内視鏡検査を行っている病院やクリニックは増加している。筆者も鎮静剤を用いて大腸カメラを行うことがよくあるが、患者さんに「昔よりも楽だった」と言っていただけることも少なくない。

 

もし、検査を受けたほうが良いと言われているのに、痛そうだから、という理由で躊躇している場合には、鎮静剤を使用している病院やクリニックを探してみる、かかりつけの医師に相談してみるというのも一手である。

 

検査を受けましょう、と言われるのは誰しも気が引けることであるが、もし検診に引っかかったり、医師に検査をすすめられたりした際には“大腸の検査は受けないともったいない”、と勇気を出して受けてみてはいかがだろうか。

 

<参考文献>

WALL STREET JOURNAL『How Kamala Harris Became First Woman to Serve as Acting U.S. President 』(https://www.wsj.com/articles/how-kamala-harris-became-first-woman-to-serve-as-acting-u-s-president-11637349786)

 

The American Journal of Gastroenterology『Endoscopic Sedation in the United States』(https://journals.lww.com/ajg/Abstract/2006/05000/Endoscopic_Sedation_in_the_United_States__Results.11.aspx)

 

 日本消化器内視鏡学会 2020年8月発行『大腸内視鏡スクリーニングとサーベイランスガイドライン』

 

齋藤 宏章

仙台厚生病院消化器内科 医師

 

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