最も「オミクロン株の感染リスク」が高いのはどんな人?【現場の医師が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

小橋友理江医師は、ひらた中央病院の非常勤医師として診療や発熱外来、ワクチン接種などに従事しながら、新型コロナの抗体検査に携わっています。感染力の強いオミクロン株を主流とする新型コロナ第6波において、最も危険に晒されているのはどのような人なのでしょうか? 現場の医師として解説します。

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コロナ第6波の最大勢力、「オミクロン株」の特徴は?

新型コロナの第6波の勢いが止まらない。それに伴い、3回目の新型コロナに対するワクチン接種の前倒しが叫ばれるようになった。昨年の「2回目接種から8ヵ月経過」への強いこだわりがなければ、少しでも多くの高齢者が3回目のワクチン接種を、この最大の感染の波が来る前に、受けられたのかもしれない、と思うと残念でならない。

 

第6波の主体はオミクロン株となっているが、このオミクロン株とはどのような特徴があるのだろうか? ざっくりとは、デルタ株と比べると、重症化が少なそうである。また、デルタ株と比べると、感染する力が強そうである。このオミクロンの重症化と感染力に、新型コロナのワクチン接種はどのように影響を及ぼすのだろうか?

「接種回数・接種後の経過日数」でみるワクチンの効果

■2回接種の場合、接種後20週目で予防効果は10%程度に低減

昨年の大晦日に、イギリス政府より重要なレポートが報告された(*1)。主に12月に市中感染(病院の外で判明した感染)した方を対象としており、ワクチンを接種していない方との比較を行なっている。ファイザー社製新型コロナワクチンを2回接種した方だと、接種から20週経過した時点では、オミクロン株に対する感染を防ぐ効果は、残念ながらたったの10%程度であることがわかった(デルタ株に対しては約60%)。

 

一方で、ファイザー社製新型コロナワクチンを3回接種した方だと、オミクロン株に対して、接種から4週目までは70%程度の防御力があるものの、10週以降では50%程度まで低下することがわかった(デルタ株に対しては、10週以降でも90%程度の感染防御力が持続)。

 

■ただし、重症化リスクは「ワクチン接種の有無・回数」で雲泥の差

重症化を防ぐ効果については、どうだろうか。新型コロナワクチン(種類は問わない)を2回接種した方については、接種から24週までの方では72%程度、25週以降の方では52%程度入院を防ぐ効果があるということがわかった。3回目接種後2週までだと、88%程度入院を防ぐ効果があることがわかった。

 

ワクチンの効果は、デルタ株と比べてオミクロン株については弱まってしまっている。しかしこれらの情報はオミクロン株の怖さを闇雲に煽っているわけではないことに注意したい。もともとオミクロンはデルタ株に比べて重症化率は低く、以前に比べ感染した経験のある方が多いこと、2回目接種を多くの国民が完了したこと、データがイギリスのものであることなど、影響を正しく解釈するためには考慮すべきことがそのほかにも沢山ある。しかし2回のワクチン接種では、オミクロンを防ぐのに不十分であるのは確かだ。

ひらた中央病院 非常勤医師
福島県立医科大学博士課程(放射線健康管理学講座) 麻酔科医・内科医

2014年、和歌山県立医科大学 医学部卒業。麻酔科医・内科医。公衆衛生学修士。越谷市立病院で初期研修、東京都立多摩総合医療センターで後期研修(麻酔)。2018年帝京大学公衆衛生学大学院修士課程。2019年より福島県立医科大学博士課程(放射線健康管理学講座)。サンライズジャパンホスピタル(カンボジア)での勤務などを経て、2020年より、ひらた中央病院の非常勤医師として診療や発熱外来、ワクチン接種などに携わりながら、新型コロナの抗体検査に携わっている。

著者紹介

医療と社会の間に生じる諸問題をガバナンスという視点から研究し、その成果を社会に発信していく特定非営利活動法人「医療ガバナンス研究所」による学会。「官でない公」を体現する次世代の研究者の育成を目的とし、全国の医療従事者が会員として名を連ねている。

著者紹介

連載医療従事者が本音で語る「日本社会」の現状~GGO For Doctor

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