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真面目で優しかった兄に起きた「異変」
三栗谷さん(63歳、男性)の貯金が底をつきかけています。
三栗谷さんには軽度の知的障がいがあり、60歳を過ぎた頃から認知症の症状も出始めています。これまで、家業のコンビニ経営を手伝ってきました。経営全般は兄が担っていますが、三栗谷さんも商品の陳列や掃除など可能な限り仕事を手伝っていました。
三栗谷さんの両親が亡くなってからは、兄が三栗谷さんのサポートをしていました。兄弟協力して、お店を引き継いでいたと思われていました。
異変が起きたのは、兄が再婚してからです。それまで、真面目にコンビニ経営に専念していた兄が、人が変わったように怠慢になってしまったのです。
お店の売り上げを勝手に使用するようになり、仕入れ先とのトラブルも目立つようになってきました。
「僕、お金がないの…」様子がおかしいMさんの訴え
三栗谷さんには、みっちゃんと呼んでいる従妹の岩崎さん(56歳、女性)がいます。幼い頃から、優しい性格の三栗谷さんを慕っており、今でも〝お兄ちゃん〞と呼んでいます。
岩崎さんはコンビニの近くに来たので、久し振りに三栗谷さんを訪ねてみることにしました。ちょうど三栗谷さんは、お店の外で掃除をしているところでした。岩崎さんが、「お兄ちゃん、元気?」と話しかけると、いつもと何だか様子が違います。
「ああ、みっちゃん。久し振りやね」と言いつつも、下を向きあまり岩崎さんの方を見ようとしません。あまりに元気がないので、岩崎さんが顔を覗き込もうとすると、ボソッと言いました。
「僕、お金がないの……」
「どうしたの、急に。何か困ったことがあるの?」と岩崎さんがびっくりして尋ねると、「兄さんに、お前はお金がないからもっと働きなさいと怒られた……」と表情を曇らせます。
そのとき岩崎さんは、三栗谷さんの父親が〝この子が不自由しないように、しっかりと蓄えを残している〞と生前に言っていたのを思い出しました。
三栗谷さんの父親は、自分たち両親が亡くなった後の三栗谷さんの将来をとても心配していました。そして、岩崎さんやその母親にも、三栗谷さんのことを頼むとつねづね言っていました。三栗谷さんのために、定期預金など積み立てをしていたはずです。
「大丈夫よ、お兄ちゃん。お父さんがいっぱいお金を遺してくれているよ」と伝え、その日はその場を後にしました。
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