RBAは債券購入プログラムの終了を決定
【本記事のポイント】
・豪州準備銀行(RBA)は政策金利据え置きと量的緩和策の終了を決定しました。RBAは今後の利上げには慎重な姿勢を維持していますが、市場では年内の利上げ観測が根強くなっています。
・豪ドル相場は足元で軟調に推移していますが、今後はオミクロン株終息による景気回復の進展が豪ドル相場の見直し材料になりそうです。
豪州準備銀行(RBA)は2022年最初の会合である2月1日の理事会において、政策金利を0.10%で維持するとともに、債券購入プログラムでの新規の政府債の買い入れを2月10日をもって終了することを決定しました。
また、RBAは5月の理事会において、将来満期を迎える保有債券の再投資を行うかどうかを検討すると表明し、バランスシートを緩やかに縮小させる量的引締(QT)に着手する可能性にも言及しました。コロナ危機後に導入された量的緩和策が終了を迎えるなか、RBAの金融政策の正常化が進みつつあります。
RBAは今後の利上げには慎重な姿勢を維持
もっとも、RBAは声明文において、「債券購入プログラムにおける買い入れ停止は、近い将来の利上げを意味するものではない」、「インフレ率が2~3%の目標範囲内に持続的に収まるまで利上げを行わない」と述べ、今後の利上げに対してはなお慎重な姿勢を維持しています。
今後、RBAによる利上げの条件が整うかどうかは、労働市場の改善やインフレ率上昇の進展次第となりそうです。
RBAは今回のRBA理事会において労働市場の見通しを上方修正しました。2021年12月に4.2%へ低下した失業率に関しては[図表1]、年内に4%を下回る水準へ低下し、2023年末には3.75%近辺に低下するとの予想を示しました。豪州の現地報道によれば、失業率が前回4%を下回ったのは1974年11月とされています。
一方、物価動向に関しては、RBAが重視する基調インフレ率は2021年10-12月期にインフレ目標圏内の前年比+2.6%まで上昇が進んでいます[図表2]。今後は2~3%の目標圏内で基調インフレ率が定着するかどうかがRBAの利上げ転換のカギとなりそうです。
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