とにかく会計業務が楽になる「クラウド型」
理由は、とにかく会計業務が楽になり、タイムリーに会計を活用できるからです。
クラウド型は、インターネット上で情報が記録されているので、場所を問わずどこからでも気軽にアクセスできます。例えば、経理担当がオフィスで入力した情報を、社長が自宅のパソコンやスマートフォンからチェックするようなことが可能です。
会計業務を効率化できる機能も複数備わっており、その最たるものが、銀行やクレジットカードなどの明細情報を、自動的に会計ソフトに取り込める機能です。これまで面倒だった、通帳などを見て仕訳を起こしたり、クレジットカードの明細を見ながら入力したりといった作業が、ほぼなくなります。
ただし、こうした機能を活用するには、インターネットバンキングやクレジットカードのアカウントを取得することが条件です。法人のインターネットバンキングの場合、金融機関ごとに毎月2000~3000円程度の手数料が必要となるのが一般的ですが、会計業務にかかる時間が減りますし、コスト以上のメリットがありますので、ぜひアカウントを取得しておきましょう。
常に「最新の法改正」に対応している点もメリット
また、クラウド型会計ソフトは、常に最新の法改正に対応している点もメリットです。インストール型の場合、最新版を自分でインストールしないと、古いやり方で会計や税務処理が行われてしまいます。
一方、クラウド型であれば、例えば消費税の税率改正のような法令改正があった場合も、常にアップデートされた状態でソフトを使えるので、間違いを防ぐことができます。ユーザーが使いやすくなるよう、頻繁にアップデートが行われているのです。
以前は、クラウド型会計ソフトについて、「セキュリティが不安」「処理が遅い」といった声がありましたが、いまはそんな問題もありません。
セキュリティについては、どの会計ソフトもハッキングなどに備えていますし、インストール型のように、パソコンの紛失や故障でデータを失うリスクもありません。パソコンを入れ替えたときも、わざわざデータを移動させることなく、すぐに新しいパソコンで会計ソフトを使うことができます。
処理速度についても、パソコンの進化やインターネット回線の高速化によって、十分スピーディーに処理できるようになっています。会計ソフトにはそれぞれ推奨環境がありますので、最低限、推奨環境を満たすパソコンを用意しておけば十分です。
すでにインストール型会計ソフトを使われている会社は多いと思いますが、その場合も、クラウド型会計ソフトを一度試してみることをお勧めします。
小形 剛央
税理士法人小形会計事務所 所長
株式会社サウンドパートナーズ 代表
税理士・公認会計士