【中小企業の会計】変動損益計算書への着目で〈骨折り損のくたびれ儲け〉脱却を目指す (※写真はイメージです/PIXTA)

会計嫌いの経営者は少なくありません。しかし、会社の数字を理解し、追えるようになれば、今後のビジネスの見通しはもちろん、どのように収益や損失が生じているのか、手に取るようにわかります。会計士が平易に解説します。

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変動費が多ければ「利益」は残らない

限界利益率は、「売上高-変動費=限界利益」を「売上高」で割った値ですから、限界利益率を上げるには、売上高を増やすか、変動費を抑える必要があります。

 

売上高がいかに多くとも、変動費が多ければ利益は残りません。

 

ところが、利益の問題は、会計を見ないと、なかなか気づくことができません。売上高が少ないと社員が暇になるので分かりやすいのですが、商品がたくさん売れていても限界利益が少ないというケースはありますから、見落としがちなのです。

 

知らず知らずに「骨折り損のくたびれ儲け」になっている企業は少なくありません。

 

限界利益に問題があるかを調べるには、「伸び率」に注目してください。

 

売上高の伸び率以上に限界利益が伸びていれば、ひとまず問題ありません。限界利益率の改善に貢献した商品を見つけ、さらに販売に力を入れましょう。

 

一方、売上高の伸びと比べて、限界利益の伸びが低いのであれば、余計な変動費がかかっているという証拠です。変動費を分析して、問題を一つひとつ潰していくことになります。

 

変動費を構成するのは、主に仕入価格ですから、変動費削減のためには仕入に関する状況を整理するのがポイントです。

 

仕入単価が上がったことで限界利益が圧迫されているのであれば、仕入価格の値下げ交渉をしたり、送料などの仕入に付随するコストを削減したりすることが有効です。

 

原材料費の高騰などにより、どうしても仕入価格が下げられないということであれば、販売単価へのコスト上乗せを検討するか、新規の仕入先を検討することになります。できれば、こうした事態に備えて、定期的に新規の仕入先は探しておくことが望ましいです。

 

また、仕入に伴う業務を内製化できれば、コスト削減につながるケースもあります。「在庫の整理」も、限界利益に直結する話です。在庫が過剰にあると変動費が膨らみ、在庫不足があれば売上に対する機会損失になります。

 

まずは、仕入先と交渉したり、共同購買をしたりして、仕入ロットを小さくするなど、無駄な在庫を減らすべきです。さらに、普段から在庫を整理整頓して、「在庫ロス」が生じそうになったら気づける仕組みを作る必要があります。

 

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税理士法人小形会計事務所 所長
株式会社サウンドパートナーズ 代表
 税理士・公認会計士

1979年11月、神奈川県生まれ。税理士、公認会計士。2002年に中央大学商学部卒業、公認会計士2 次試験合格、監査法人太田昭和センチュリー(現 EY新日本有限責任監査法人)に入社。
2006年、公認会計士登録。2013年7 月に新日本有限責任監査法人(現 EY新日本有限責任監査法人)退職、同年8 月に税理士法人小形会計事務所入所、TKC全国会入会。
2013年10月に税理士登録。現在、税理士法人小形会計事務所所長、株式会社サウンドパートナーズ代表。

著者紹介

連載【公認会計士が指南】会計嫌いの社長のための会計学入門

本記事は『たった3か月で売上高倍増!これだけは知っておくべき社長の会計学』(幻冬舎MC)より抜粋・再編集したものです。

たった3か月で売上高倍増!これだけは知っておくべき社長の会計学

たった3か月で売上高倍増!これだけは知っておくべき社長の会計学

小形 剛央

幻冬舎MC

「会計」と聞くと、「面倒だけどやらなくてはいけないもの」というイメージを持つ人は少なくないはずです。 税務申告のため、融資を受けるため、売上や利益の金額を確認するため…。会計の役割をそういったものだけだととら…

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