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変動費が多ければ「利益」は残らない
限界利益率は、「売上高-変動費=限界利益」を「売上高」で割った値ですから、限界利益率を上げるには、売上高を増やすか、変動費を抑える必要があります。
売上高がいかに多くとも、変動費が多ければ利益は残りません。
ところが、利益の問題は、会計を見ないと、なかなか気づくことができません。売上高が少ないと社員が暇になるので分かりやすいのですが、商品がたくさん売れていても限界利益が少ないというケースはありますから、見落としがちなのです。
知らず知らずに「骨折り損のくたびれ儲け」になっている企業は少なくありません。
限界利益に問題があるかを調べるには、「伸び率」に注目してください。
売上高の伸び率以上に限界利益が伸びていれば、ひとまず問題ありません。限界利益率の改善に貢献した商品を見つけ、さらに販売に力を入れましょう。
一方、売上高の伸びと比べて、限界利益の伸びが低いのであれば、余計な変動費がかかっているという証拠です。変動費を分析して、問題を一つひとつ潰していくことになります。
変動費を構成するのは、主に仕入価格ですから、変動費削減のためには仕入に関する状況を整理するのがポイントです。
仕入単価が上がったことで限界利益が圧迫されているのであれば、仕入価格の値下げ交渉をしたり、送料などの仕入に付随するコストを削減したりすることが有効です。
原材料費の高騰などにより、どうしても仕入価格が下げられないということであれば、販売単価へのコスト上乗せを検討するか、新規の仕入先を検討することになります。できれば、こうした事態に備えて、定期的に新規の仕入先は探しておくことが望ましいです。
また、仕入に伴う業務を内製化できれば、コスト削減につながるケースもあります。「在庫の整理」も、限界利益に直結する話です。在庫が過剰にあると変動費が膨らみ、在庫不足があれば売上に対する機会損失になります。
まずは、仕入先と交渉したり、共同購買をしたりして、仕入ロットを小さくするなど、無駄な在庫を減らすべきです。さらに、普段から在庫を整理整頓して、「在庫ロス」が生じそうになったら気づける仕組みを作る必要があります。
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