(※画像はイメージです/PIXTA)

真面目で繊細、いわゆる「いい人」ほど「悪玉ストレス」を受けやすい。また、真面目な人ほど、目標を高く掲げがちで、わざわざ自分を追い込んでしまうのも特徴です。では、どう対処すればいいのでしょうか、精神科医の和田秀樹氏が著書『孤独と上手につきあう9つの習慣』(大和書房)で解説します。

真面目な人ほど、目標を高く掲げ失敗する

孤独や疎外感もストレスのひとつです。心が鍛えられると、ストレスのコントロール、孤独のコントロールもできるようになるのです。

 

しかし、筋トレにも向き、不向きがあるように、心のトレーニングにも得意な人、苦手な人がいます。

 

「自分はプレッシャーに弱い」
「ちょっとしたことでも、すぐ感情的になってしまう」

 

という人は、心のトレーニングが苦手なタイプ。真面目で繊細、いわゆる「いい人」に多いタイプといえます。

 

こういう人は、意識的に自分に課題を与えてみるのもいいでしょう。「心トレ」用の課題としては、大きな負担のかかるものは初めは避け、「頑張ればクリアできそうだな」と気楽な気持ちで取り組めるものがベストです。

 

最初は毎朝30分早起きして会社に行くとか、仕事の企画書を人より2本多く作るなど、些細なことでかまいません。

 

あるいは、「マラソンを始めてみようかな」「彼女を映画に誘ってみようかな」と、行動に移すかどうか迷っていることがあれば、いまこそ取り組んでみる。

 

慣れてきたら、少し負荷を上げたり、まったく違うストレスをかける。

 

こうやって少しずつ自分にプレッシャーを与えていくと、いつか人から与えられるプレッシャーを苦もなく捌けている自分に気づくはずです。

 

■ものごとは「5割テキトー」で考える

 

真面目な人ほど、目標を高く掲げがちだという傾向があります。「普通に実行すれば、だいたい1日このくらい進むかな」という量に上乗せして、わざわざ自分を追い込んでしまうのが真面目な人の特徴なのです。

 

その目論見どおり、上乗せしたぶんまで完了できれば万々歳。自分の成長も早くなるし、「よく頑張ったな、自分」と大きな充足感、満足感を味わえます。

 

しかし、人間、調子のいいときもあれば悪いときもあるものです。いつも目論見どおりに進むとはかぎりません。そんなとき落ち込んだり、後ろめたく思ったりしてしまうのも、真面目な人にありがちなこと。すべてに完璧主義で臨もうとすると、途中で心がぽっきり折れてしまいます。疲れもどんどん溜まるし、「失敗した」「できなかった」と考えれば考えるほど、悪玉ストレスは増えていく。

 

そうならないためには、「いい人」でいるのをやめること。人からどう見られるかなんて関係ありません。真面目な人は、ものごとを5割テキトーに考えるくらいでいいのです。

 

目標どおりできなかったとしても、ゼロではありません。「10」の予定が「5」しかできなかったとすれば、半分は進んだということ。

 

前日できなければ今日があるし、明日もあります。「いい人」だと思われたいばかりに、完璧主義を貫こうとしないこと。ときには他人に迷惑をかけるぐらいの失敗は、あって当然なのです。

 

そして、ここ一番の大勝負のときは、目標に上乗せするぐらいのガッツが必要ですが、そうでないときはあまり高く設定しすぎないこと。

 

小さな成功体験を積み重ねていくほうが、心のトレーニングにも筋肉のトレーニングにも効くものです。

 

和田 秀樹

和田秀樹こころと体のクリニック 院長

 

 

※本連載は精神科医である和田秀樹氏の著書『孤独と上手につきあう9つの習慣』(大和書房)から一部を抜粋し、再編集したものです。

孤独と上手につきあう9つの習慣

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