前回は、初心者に株式・債券投資がおすすめである理由を説明しました。今回は、投資の基礎知識のひとつ「デット」と「エクイティ」について見ていきます。

デットは「負債」、エクイティは「株主資本」

前回の続きです。

 

投資家の側から見たときに、投資の基本は、1番目の債券や預金といった元本保証のあるものと、2番目の株式や投資信託といった元本保証のないものとに分けられます。これを、投資を受ける側(会社)から見たときには、1番目はデット(debt:負債)であり、2番目はエクイティ(equity:株主資本)であるという違いになります。

 

デットとは、簡単に言えば借金です。借金ですから返済期日とそれまでの金利を決めて、期日までに元本と金利ぶんの利息をきっちりと返済することになります。投資家側から見れば、相手が返済の約束さえ守ってくれれば、元本が保証された安心できる「投資」商品になります。

 

エクイティとは、簡単に言えば出資です。投資を受ける側から見ればエクイティとは、たとえ事業に失敗しても返済の必要のないお金ですから、デットに比べてありがたいものです。

 

投資家は、投資先にお金を貸すのではなく、投資先の事業に「お金を出す」というかたちで参加することになります。いわば事業主の一人になるわけです。事業主ですから、事業が成功して多大な利益が上がった場合は、相応の分け前を得ることができます。

 

しかし、事業が失敗した場合には事業主としての責任をとって、出資金額の損失をも覚悟しなければなりません。

 

 

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日本の将来のためにもなる「エクイティ」への投資

本連載で株式投資を勧めるのは、デットよりもエクイティのほうが、リターンが大きくなるからです(もちろん、そのぶんリスクも大きくなります)。また、日本の将来を考えたときに、デットよりもエクイティへの投資が望ましいと考えているからです。投資家にとってもデットよりもエクイティのほうが楽しいというか、わくわくするものです。

 

なぜならば、デットとは、しょせんお金の貸し借りにすぎないからです。もちろん、お金を借りたい相手がいて、そこにお金を貸すことは立派なビジネスですし、お金の流動性を高めて社会の役に立つ行為です。しかし、デットへの投資、つまりお金を貸すことは、お金さえあれば誰にでもできる簡単なことです。

 

次回は、エクイティへの投資についてより詳しく説明します。

 

 

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本連載は、2014年7月29日刊行の書籍『インフレ時代の投資入門』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

インフレ時代の投資入門

インフレ時代の投資入門

杉浦 和也・前野 達志

幻冬舎メディアコンサルティング

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