Point1:周辺環境が整っているか
駅近物件の魅力は、なんといっても「利便性」です。特に学生や通勤で電車を使う人にとっては重要な条件です。また、スーパーやコンビニなどの商業施設や飲食店などがそろい、生活がしやすい環境であることも、入居の決め手につながります。
一方で、「深夜まで騒がしい」「電車の音・振動が気になる」「不特定多数の人が集まるので治安が悪い」といったデメリットもあります。Aさんの物件に住んでいた入居者は、想定外の周辺環境に不満を感じて退去を選んだのでしょう。多くの人が集まる魅力的な場所には、トラブルの種も多いことを頭に入れておく必要があるのです。
実際に物件に行ってみなければ分からないことも多いため、情報だけで判断するのではなく、「最寄りの駅には、急行が止まるのか、各駅停車のみなのか」「駅周りの施設はどんなものがあるか」「治安は良いか」など、入居者(単身者や学生なのか?ファミリーか?)の立場に立って現地を訪れ、実際にその地を「曜日」や「時間帯」を変えて歩き、入居者が住みよい街なのかを見極めましょう。
・最寄り駅には、急行が止まるのか、各駅停車のみなのか
・駅周りの商業施設、飲食店は充実しているか
・治安は良いか
・電車の音などが気にならないか
Point2:開発計画による競合物件の襲来
収益物件を探すときには、商業施設の建設や駅のリニューアルなど沿線計画を事前に調べておく必要があります。一般的には、再開発が進むと不動産価値があがり、人口が増えるため賃貸需要も高まると予想されます。Aさんも、その将来性を見込んで物件を購入していました。
しかし、都内の駅前アパートとなると、投資家需要が高く、競合物件が乱立しやすいため、再開発によって建物と建物の間が狭くなる、日当たりが変わる、入居者が圧迫感を抱く、といったマイナス要素が発生することがあります。こうした要因も空室リスクとなるので、後から競合物件が建つ可能性も想定しておきましょう。
どんなに魅力的な「駅近物件」であっても、どこかに落とし穴があるものです。先に述べたような立地選びはもちろん、「セキュリティ面やインターネットの充実」「宅配ボックスなど共用部の管理徹底」「耐震や防音設備の完備」など建物自体にも工夫を凝らし、入居者が快適に住める住環境を整えることが大切です。こうした優位性のある仕様を導入して、競合物件との差別化を図ることができれば、Aさんも家賃を下げずとも借り手を呼び込めたかもしれません。
リスクを正しく理解していれば、資産価値(駅近、築浅など)の高さを活かして投資を成功に導くことができるはずです。土地の将来性も含めた資産価値、空室リスク、実質利回りを鑑みながら、信頼できる不動産投資のプロ、融資元の銀行と相談して、入念に検討することをおすすめします。
・セキュリティ面やインターネットは充実しているか
・宅配ボックスなど共用部の管理が徹底されているか
・耐震や防音設備に問題ないか
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