マーケットは利上げを当てるのは上手でない (※写真はイメージです/PIXTA)

本記事は、フィデリティ投信株式会社が提供するマーケット情報『マーケットを語らず』を転載したものです。※いかなる目的であれ、当資料の一部又は全部の無断での使用・複製は固くお断りいたします。

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年末年始は渋滞に注意

今回が2021年最後のエントリーです。今年も大変お世話になり、ありがとうございました。

 

皆さんは年末年始をどうお過ごしになられるでしょうか。私は、本を読み、ジョギングをして、テレビで駅伝を観ます。

 

ジョギングではいつも、地方の高速道路に架かる橋を渡るのですが、10月くらいから週末の夕方の「上り車線」で激しい渋滞が起きています。気になったので、高速道路と一般有料道路の通行台数を取ると、2年前比がプラスに転じていました。車で外出される方は「心づもり」をされたほうがよいかもしれません。

 

[図表1]日本国内の高速道路・有料道路の交通量(2年前同月比)
[図表1]日本国内の高速道路・有料道路の交通量(2年前同月比)

確信が強いポジションvs.確信が弱いポジション

さて、先週は米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれました。利上げの道筋は示されましたが、そのとおりに進むかはまだ誰にもわかりません。以下に記すとおり、利上げ前はたいてい変動性が高まり、目論見どおりにはいかないものです。

 

「変動性が高まるときは、確信やコンセンサスが覆されるとき」です。

 

現状における最も強い確信は「インフレは持続しない⇒長期金利は低位安定する」であり、それゆえ、変動性を高めるのは、長期債の下落=長期金利の上昇と考えられます。それは、もうひとつの強い確信である米国の成長株式にも悪影響を与えるはずで、この2つはリンクしています。

 

「ほぼ完全雇用」の失業率(4.2%)、相変わらず強いJOLT(雇用動態調査)やCPI、驚異のイニシャル・クレイム(18万4,000件)、それでも下げない債券市場に、筆者はとても驚かされます。

 

コンセンサス・トレードはふつう、安心感というよりも不安感を生むものです。なぜならば、割高なものに「乗っかる」ためです。

 

これに対して、分散投資やインフレ・ヘッジ、ボラティリティ抑制のために持つバリュー株式や米国リート、米国ハイ・イールド債券などは、市場全体の強い確信はなく、ゆえに相対的に割安であり、もちろん景気が拡大する限りリターンを得られるため、保有には相対的な安心感があるといえるでしょう。先週、お伝えしたとおり、「金融資産は互いに競争する」(レイ・ダリオ)のです。

 

現在の「マーケット・ポートフォリオ」には偏りが大きいだけに、分散して(皆がたくさん持っている割高なものを利益確定して)偏りを解消しておくことがよいと思われます。現状はインデックス投資やインデックスを使ったロボアドにも偏りがある状態ですから、偏りの解消を先導できるのは、ほかならぬファイナンシャル・アドバイザーだけです。

 

FOMC翌日以降の株式市場の調整は、金利上昇ではなく、金利低下を伴っており、「本物」ではありません。より警戒すべきは(債券弱気派やスティープナーが一掃された今や)金利の上昇です。

 

金利の低位安定に支える2つの要因を考えると、①「インフレは持続しない」のかは誰にもわかりませんし、②「巨大な流動性」は今後、取り去られていきます。

 

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フィデリティ投信株式会社
マクロストラテジスト

大阪大学大学院経済学研究科博士前期課程修了後、農林中央金庫にて、外国証券・外国為替・デリバティブ等の会計・決済業務および外国債券・デリバティブ等の投資・運用業務に従事。

その後、野村アセットマネジメントの東京・シンガポール両拠点において、グローバル債券の運用およびプロダクトマネジメントに従事。

アール・ビー・エス証券にて外国債券ストラテジストを務めた後、2013年にJ.P.モルガン・アセット・マネジメントに入社、2019年同社マネージング・ディレクターに就任。ストラテジストとして、個人投資家や販売会社、機関投資家向けに経済や金融市場の情報提供を担う。2020年8月、フィデリティ投信入社。

著者紹介

連載フィデリティ投信のマクロストラテジストによる「マーケット情報」

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