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この先世界はどう変わる?…投資に向けた新年の問い

テクノロジーは、労働者間の競争を厳しいものにし、(資本主義が促す)格差の拡大を後押ししてきたでしょう。有権者や政府は、巨大テクノロジー企業を解体したり、独占企業や富裕層への増税を実現するでしょうか。企業は、労働者を機械で代替することを止めるでしょうか。

 

気候変動対策に伴う経済的なコストの上昇は、巨大テクノロジー企業や富裕層が所得に見合う負担をするでしょうか。それとも、重厚長大の装置産業や一般市民が負担するのでしょうか。「持続可能な社会」に伴う生産・消費の抑制は、労働者の所得を減少させないのでしょうか。

 

有権者は、無関心であり続けるか自由を求めるかわりに、負担の増加や所得の減少、格差を「資本主義だから仕方ない」「エコだから仕方ない」と受け入れるのでしょうか。それとも、有権者は、平等を求め、階級闘争が起き、ベーシック・インカムが実現するのでしょうか。その先には、インフレが待っているのでしょうか。

 

こうした問いに自分なりに答えるときに、投資をすべきかどうか、投資をするなら、自分自身なのか家族なのか、金融資産なのか実物資産なのかといったことが決まるように思えます。

2021年のリターン・ランキング

[図表1]に示すとおり、2021年1年間の、さまざまな資産に関するリターン・ランキングをつくってみました。

 

【上位】からおおづかみで眺めると、暗号資産をトップに、エネルギー・産業金属・不動産といった実物資産系が上位、情報技術や金融などの景気敏感株式が続きます。

 

【プラス・リターンの真ん中】あたりに位置するのが、ディフェンシブ株式や素材、資本財セクターです。

 

【ゼロ%リターン近辺】に米小型グロース、日本株式、中国株式が来ます。日本株式(TOPIX)は円ベースでは12.7%のリターンでしたが、円安・ドル高で米ドル・ベースでは1.1%のリターンに留まりました。

 

【下位】に進んで、リターンがマイナスになったのが、債券全般、ゴールドを含む貴金属、新興国株式でした。

 

[図表1]2021年のリターン(米ドル換算、トータルリターン)
[図表1]2021年のリターン(米ドル換算、トータルリターン)

 

シンプルにいえば、2021年は「パンデミック・ロックダウンからの景気回復ストーリー」(①経済再開・景気回復⇒資源や産業金属、不動産に戻り②金利が上がる⇒金融が良好、ディフェンシブ冴えず、小型グロース冴えず、債券・ゴールド下落)といったところです。

 

次ページ債券軟調といっても、長期金利は依然としてかなり低い

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