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老人ホーム選びの極意とは何か?
世の中には、どこから見ても良い老人ホームなどはありません。あるのは、あなたに合った老人ホームだけです。「住めば都」。昔の人はよく言ったものです。
みなさんは、常日ごろ、こんなことを言ったり、聞いたりしてはいませんでしたか?
家族や夫婦で旅行に行き、高級ホテルや旅館に泊まって帰ってきた時のこと。
「やっぱり、うちが一番いいね」と。
どんなに豪華で贅沢な場所で、時を過ごしたとしても、そこはあくまでも非日常なのです。けっして日常ではありません。多くの人にとって、非日常の中で長時間過ごすということは苦痛なのではないでしょうか。
私たちは、老人だろうと認知症だろうと、今、このリアルな日常の時間を過ごしているのです。「狭いながらも楽しいわが家」「起きて半畳、寝て一畳」そんな言葉も浮かびます。
老人ホーム選びは、人生の終わり近くで、リアルに過ごす場所選びにほかなりません。
非日常性を求める夢の世界ではありません。
本連載を熟読していただければ、良いホームとは何かがわかります。老人ホームとは何かがわかります。繰り返しますが、すべての条件を満たしたホームなどありません。あるのは、自分に合ったホームだけです。しかし、私は老人ホーム選びのプロとして、多くの読者のリクエストに応こたえなければなりません。だから、あえて言います。良い老人ホームとは、どのようなホームなのか、を。
私が考える良いホームとは、ひと言で言えば「空室がないホーム」のことを言います。空室があるホームは、良いホームではありません。ダメなホームです。したがって、良い老人ホームを探すには、空室のないホームを探して、そこに「入居」することです。そうすれば、良いホームに入居できるはずです。
誤解を恐れずにあえて言います。良い老人ホームがあるとするなら、それは、常に満室、空室がないホームです。空室が多いホームは、ダメホームです。泣こうが喚こうがこれが絶対的な「結論」です。