(※写真はイメージです/PIXTA)

修繕積立金は、10年、20年先と長期にわたる建物のメンテナンスのために、区分所有者が管理組合の形で積み立てる大切な将来のための費用です。修繕積立金、管理費はどのように決まるのでしょうか。※本連載は、松本洋氏の著書『マンションの老いるショック!』(日本橋出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

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マンション管理組合の決算と監査

マンション管理組合は、組合員の皆様から納入された、管理費や修繕積立金や駐車場の使用料金等が、適正に支出されて、無駄なく使わなければならないという使命を担っています。管理組合の健全なる発展のためにも管理組合における収納、支出に関する実務は大変重要であり、理事長以下役員にとっては会計の透明性確保は責任ある仕事です。

 

しかしながら、管理組合会計は多くの人が判り難いという先入観からいやがられる管理組合業務のひとつです。

 

また、非営利法人である、管理組合法人及び法人格のない権利なき社団である通常のマンション管理組合について定められた会計基準は特にありません。それが、一般の企業会計と大きく異なります。

 

また、標準管理規約でも詳細な会計について規定が存在しないことから、多くのマンション管理組合では、管理を委託している管理会社ごとに定められた企業会計を基にした財務会計の書式や方式により会計処理が行われています。

 

■管理会社を変更したら、会計の書式も変更になった

 

管理会社では従来は会計書類を、物件ごとに担当フロントが作成していましたが、最近では、多くの管理会社は担当フロントによる不正の防止や会計処理の効率化を図るために、独自の会計システムで毎月の収支会計帳票の作成・報告、予算案(素案)や決算案(素案)の作成を専門の会計部署で行っております。

 

その様に分業化した事で、担当フロントの負担が軽くなり一人当たりの担当物件を多く持つことが可能になったといわれています。

 

従って、以前の管理会社と同じ書式や科目などにより作成する場合、一つ一つ手作業でデータを入力するために誤入力してしまうことや作業効率が悪くなってしまうために管理会社が断ったと推測します。会計はマンション管理の要であり、管理会社の会計ソフトにわせることで入力ミスがなくなるなどメリットが多くあります。そのためには新しい管理会社システムを受け入れることが必要と考えます。

 

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マンションの老いるショック!データから学ぶ管理組合運営

マンションの老いるショック!データから学ぶ管理組合運営

松本 洋

日本橋出版

分譲マンションは現在、「区分所有者の老い」「建物設備の老い」という二つの老いの問題を抱えています。 本書では、国土交通省から公表されているデータや、筆者のマンション管理士としての経験から得た知識を基に「マンシ…

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