設備投資も改善が一服
設備投資(ソフトウェアを含む)は前年比1.2%(4~6月期:同5.3%)と2四半期連続で増加したが、伸び率は前期から低下した。製造業(4~6月期:前年比4.0%→7~9月期:同0.9%)、非製造業(4~6月期:前年比5.9%→7~9月期:同1.4%)ともに減速した。
季節調整済の設備投資(ソフトウェアを含む)は前期比▲2.6%(4~6月期:同3.3%)と3四半期ぶりに減少した。製造業(4~6月期:前期比3.6%→7~9月期:同▲1.7%)、非製造業(4~6月期:前期比3.2%→7~9月期:同▲3.0%)ともに減少に転じた。
7~9月期・GDP2次速報は小幅下方修正を予想
12月1日の法人企業統計の結果等を受けて、12/8公表予定の21年7~9月期GDP2次速報では、実質GDPが前期比▲0.8%(前期比年率▲3.3%)となり、1次速報の前期比▲0.8%(前期比年率▲3.0%)から若干下方修正されると予想する。
設備投資は1次速報の前期比▲3.8%から同▲4.3%へと下方修正されるだろう。設備投資の需要側推計に用いられる法人企業統計の設備投資(ソフトウェアを除く)は前年比2.2%(4~6月期:同3.6%)と2四半期連続で増加したが、伸びは鈍化した。
法人企業統計ではサンプル替えや四半期毎の回答企業の差によって断層が生じるが、当研究所でこの影響を調整したところ前年比▲1%程度の減少となった。また、金融保険業の設備投資(ソフトウェアを除く)は前年比▲16.9%(4~6月期:同8.3%)の大幅減少となった。1次速報段階では、設備投資の需要側推計値は前年比0.8%となっており、12月1日の法人企業統計の結果は設備投資の下方修正要因と考えられる。
また、民間在庫変動は1次速報で仮置きとなっていた原材料在庫、仕掛品在庫に法人企業統計の結果が反映された結果、1次速報の前期比・寄与度0.3%から同0.4%へと上方修正されるだろう。
その他の需要項目では、公的固定資本形成は9月の建設総合統計の結果が反映され、前期比▲1.5%から同▲2.0%へ下方修正されると予想する。
なお、12/8の21年7~9月期GDP2次速報では、20年度の年次推計値が併せて公表され、四半期の計数は21年1~3月期までが速報値から年次推計値に改定される。21年7~9月期の成長率は、法人企業統計を中心とした基礎統計の追加に加え、20年度の年次推計に伴う遡及改定の影響を受けるため、不確定要素が多いことを念頭に置いておく必要がある。
斎藤 太郎
ニッセイ基礎研究所
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