(画像はイメージです/PIXTA)

サラリーマンであれば「勝ち組」の人生を歩みたいものです。多くの人がそう願うからおのずと競争が激化して、渋滞が発生する道になります。どこかで人が行かない道を選ぶ勇気が必要で、これからの時代には重要な発想かもしれません。※本連載は松尾一也著『40代から深く生きる人、浅く生きる人』(海竜社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

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なぜか人や仕事は「愉しそうな人」に集まる

▼浅く生きる人=そもそも愉しそうじゃない

 

いつまでも子どものように無邪気で天真爛漫な人がいます。

 

私の通うスポーツクラブに74歳になる先輩がいます。

 

どこで、いつ会っても明るく元気です。

 

「人生、まだまだこれからよ。不景気でみんなが縮みあがっている今こそ、銀座のクラブに行けば大モテよ」

 

と意気揚々と出陣しています。

 

思えばこの人のまわりはいつも人がたくさんいます。

 

みんなからも「せいちゃん!」「せいちゃん!」と呼ばれて毎回、話に花が咲く状態なのです。

 

どうも本業の骨董屋さんも長年、繁盛しているようでやっぱり羽振りがいいです。

 

幼なじみの奥様をすでに亡くしているので、悲しいことやツライこともたくさんあったでしょうに。たいしたものです。


 
40代、50代、ついつい暗く、陰うつな表情になってしまうときが増えますが、これでは人や仕事はやがて離れていってしまいます。

 

人や仕事も虫の性質と似ていて、明るいライトに自然と集まってくるのです。

 

たとえば、世界の観光地を想像してみてください。そこにはやっぱり、愉しそうなエリアに多くの人が集まり、栄えてきた歴史があります。新型コロナウイルスの影響で大きな被害を受けたイタリアやスペインも、困難を乗り越え、にぎわいが戻る日が必ずやってくるに違いありません。

 

これからの人生、人や仕事に恵まれたいと思うのであれば、すぐにでも愉しそうに
することですね。

「自然を求める時代が必ずやってくる!」

▼浅く生きる人=自然から離れている

 

私が18歳のときに、福岡県にある能古島へ親戚がつれて行ってくれました。

 

なんの施設もないのですが、青空、新緑、花々、そして博多湾の碧さに感動しました。なんて美しい島なのだろう。

 

それから能古島にはご縁が続き、10回以上は訪れています。

 

51年前、ここに「のこのしまアイランドパーク」という自然公園を、原野を切り開き、ゼロから造ったのは故久保田耕作さんです。奥様の睦子さんと二人三脚で「花と緑の楽園」を築いてきました。

 

今では春の桜、夏のひまわり、秋のコスモス、冬のスイセンが名物となり大人気の施設で有名になりましたが、当初は家族が楽しめるレジャーがないため厳しい経営と苦節が続いたといいます。

 

ジェットコースターや観覧車の設置を持ちかける業者もいましたが、耕作さんは請け合わず「経済が発展し働き続けた人に癒しが必要になるときがくる」「自然を求める時代が必ずやってくる!」と信じて疑わなかったそうです。

 

「鳥の声や虫の声を聞きながら、青空天井で昼寝をし、いい空気を吸って花を見て、腹をかく(腹をたてる)人はいない」が口癖だったそうです。

 

夫亡きあと引き継いだ睦子さんも「にこやかな顔をして帰っていく来園者の姿を見るのは一番の喜びです。みんなから幸せを与えてもらっています」と語ります。

 

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40代から深く生きる人、浅く生きるひと

40代から深く生きる人、浅く生きるひと

松尾 一也

海竜社

気がつけば最近、たのしいと感じる瞬間がなくなっている。モチベーションがあがらない、人間関係に疲れている。就寝する頃には自分が完全に電池切れ、燃料切れになっている……。 最近の自分、ヤバくないっ!? それを特に…

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