(※画像はイメージです/PIXTA)

海外のゴルフではプロのコーチやスタッフとチームを組むことが一流プレーヤーとして戦い続けるための条件になります。適材適所のチームづくりは、選手の役割で自ら適材を探し求めています。ここが欧米と日本では温度差があるといいます。※本連載は吉田洋一郎氏の著書『PGA 超一流たちのティーチング革命』(実務教育出版)から一部を抜粋し、再編集したものです。

チームでなければトップは狙えない理由

スコアが100を切るかどうかの人がパッティングコーチを付けてもあまり意味はありません。初心者に最適な指導者は、小学校の先生のように基本をすべて教えてくれるコーチでしょう。「1+1」を教わるのに、高校の数学の先生は必要ないのです。

 

ですが、トッププロともなると、難解な数式を解かなければなりません。必然的に専門性のあるコーチが必要となるわけです。

 

パッティングとショットという分野を見ても、教え方には物理と数学のような違いがあります。パッティングの場合、振り幅は小さく、運動というよりは物理現象に近い動作です。パターをどのようにボールに当てるかがパッティングにおけるティーチングでは重要視されます。

 

一方、ショットはフィジカルの要素がかなり強いので、パッティングとは行う動作が異なり、必要とされる技術が違うのです。

 

■一流プレーヤーのチーム構成と運営の現状

 

PGAツアーの一流選手は細分化された専門性を持つコーチを付けるのが一般的です。もはやPGAツアーで、チームでなければトップを狙うことは困難な世界だと言えるでしょう。

 

トッププロのチーム構成は、スイングコーチ、パッティングコーチ、フィジカルトレーナー、キャディー、マネージャーが基本です。加えてマネジメント会社が必ず参画しています。マネジメント会社はツアーの移動手段や宿泊施設の手配、取材対応などの広報活動、選手の肖像権管理やスポンサー契約などプレー以外の周辺の仕事を担当します。

 

一流スタッフを揃えようと思えば、当然ギャランティーは高額になります。契約内容によりますが、選手が賞金を得れば、そこから報酬も支払う必要があります。

 

PGAツアー選手の場合、100位以内だと年間の賞金は2億円をくだりません。これに加え、スポンサーからの収入もあります。PGAツアーのシード120位以内の選手にはほとんどスポンサーが付きます。だから、コーチへの“経費”をまかなうことが可能となります。

 

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PGA 超一流たちのティーチング革命

PGA 超一流たちのティーチング革命

吉田 洋一郎

実務教育出版

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