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コーチ選びの重要なポイントとは
■コーチ選びは目的と目標に照らし合わせる
私はPGAツアーの選手が新しくコーチを選んだというニュースを聞いたとき、その選手が何を求めていて、どのような考え方を持っているのかがわかります。それは私がほとんどの欧米のゴルフコーチを知っており、コーチのプロフィールやどの分野に特性を持つかを理解しているからです。
選手がどの分野を強化するかによって誰をコーチに招くかが決まります。コンセプトが曖昧ななまま、コーチに「とりあえず助けてほしい」という選手には長期的なプランがないことがわかります。
逆に、明確なコンセプトを持って取り組んでいる選手は、有名無名にかかわらず自分に合うコーチを招聘します。クリス・コモを招聘したタイガー・ウッズがまさにそうです。
目的や目標が明確でなければ、正しい選択はできません。そしてそれらは、具体的であることが大事です。
ゴルフに限ったことではありませんが、目的を明確にし、目標設定を行い、そこに向けて具体的な方法やツールを選択することが上達や成長を確実にしていきます。車の運転でナビに目的地を入れて最適なルートを選択するときと同じです。
第二次大戦での日本軍敗戦の要因を検証した『失敗の本質』(中公文庫)という本に書かれていましたが、目的や目標を明確にせず、戦略も立てず、かつての成功体験にならって物事を進めてしまうと誤った判断に直結します。
正しい選択には、情報収集が必要です。ネット検索でもいいですし、情報を持つ人から直接教えてもらったりするなど、数多くの情報を入手することです。そのうえで、実際の現場に行き、セレクトしたコーチに気軽に習ってみることで、コーチの特性を判断することができます。1度では本当に自分にとって適正なのかはわからないので、良し悪しが判断できるまで何度か試してみるといいでしょう。
もちろん、コーチに実績があるにこしたことはありませんが、問題はその中身です。
有名選手の指導歴がコーチの箔になることがありますが、コーチの指導で選手の成績が上がったのか、選手自身の能力で成績を出したのかについて確認しておくべきでしょう。
コーチが選手の成績を伸ばすには、ゴルフ理論の知識を弛まず蓄積し、指導内容の理論的背景がしっかりしていることが基本です。
実績よりもむしろ、深い知識や、体系的な指導方法をもっていることのほうが重要です。理論がしっかりしていて、それが結果に結びついているのなら、再現性があるということです。このロジックがしっかりしていることがコーチ選びの重要なポイントになります。