うちの親は大丈夫だろう――子にとって親はいつまでも親。しっかり者で、頼りがいがある。しかし、確実に年を重ねていっている高齢の親は、想像もつかない事態に直面し、窮地に瀕していることも。そのことを知ったとき、「親の老い」を認識するのかもしれません。
GWで実家に帰省したら凍り付いた…年金月15万円・82歳母の預金通帳をチラ見した52歳長男、「1,000万円の引き出し」に不信感。理由を聞いて唖然「うっ、うそだろ?」

年金月15万円・81歳母の預金通帳…残高3桁、さらに覚えた違和感

それは昨年のこと。「GWだから実家に顔を出すか」と気軽に帰省した長男、田中智さん(仮名・当時52歳)。普段忙しく働いている智さんにとって、帰省は実に2年ぶり。ところが、実家に違和感を覚えたといいます。

 

父は亡くなり、実家では母・洋子さん(仮名・当時81歳)がひとり暮らし。以前よりも家の中が殺風景で、どこか生活感が薄れているように感じたのです。以前は亡くなった父が好きだった骨とう品などが飾られていました。「興味のない人にとっては、単なるガラクタだね」と家族で笑っていましたが、そのすべてがなくなっていたのです。

 

「全部処分したの」と洋子さん。確かに、興味のないものを飾っていても意味がありません。その言葉には納得しましたが、「ちょっとお茶をもらうよ」と冷蔵庫を開けたところ、食材がほとんど冷蔵庫に入っていませんでした。

 

智さんは心配になり、洋子さんに対して「最近の生活はどう?」と尋ねました。「年金で何とか暮らしているわ」と笑う洋子さん。自身の年金と亡くなった父の遺族年金と合わせて、月15万円程度と聞いていました。贅沢はできないかもしれませんが、地方暮らしで持ち家――十分生活できる金額だろうと、このときは考えるのを辞めたといいます。

 

しかし帰省2日目。ふと洋子さんの預金通帳が目に入りました。親子とはいえ、人の預金通帳を勝手にみるのは――と思いつつ、開いてみると「えっ⁉」と驚きの声が出て、一瞬思考が停止しました。まめに記帳している通帳でありましたが、残高は3桁。過去の履歴をみていくと、2ヵ月に1回の年金振込日に12万円、その翌月にまた12万円引き出す。これが母のルーティンだったようです。

 

「支出ごとに封筒に入れておくの。こうしておくと無駄遣いしない」と、以前家計の管理法について、洋子さんが話していたことがありました。毎月12万円を引き出しているのは、ずっとその家計管理法を実践しているからでしょう。ただ引き出しをしても1,000万円近い残高がありましたが、あるときを境に消えていたのです。その結果、2ヵ月に1回の年金振込日の前には残高が3桁に。

 

「この大金の引き出しはなんだろう――」

 

智さんは勝手に通帳を見てしまったことを詫びつつ、大金の引き出しについて洋子さんに尋ねました。すると衝撃的な回答が返ってきました。