(※写真はイメージです/PIXTA)

無料の掲示板サービスを使って、50万円という破格の価格で実家を売りに出したところ、驚きの展開が待っていました。本記事では、フリーライター・高殿円氏の著書『私の実家が売れません!』(エクスナレッジ)より、実家の不動産取引の裏側をみていきます。

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売買価格50万円、ジモティーで実家を出品

最初は、冗談か間違いの購入だろうと思った。もしかしたらジモティーのことをよくわかっていない老齢の人が、間違ってクリックしてしまったのかもとか。

 

なので即、キャンセルした。さすがに現物が存在するかどうかわからないものをクレカで買う人はいないだろう。しかも対象は不動産だ。パソコンかなにかのように、初期化しましたはいコレで取引終了、とはならない。

 

「あーびっくりした。世の中にはいろんな人がおるもんだなー」

 

父や母が間違ってジモティーで負動産を買わないようにしなければ、と強く思った。クリックは危険。最近はスワイプも危険。

 

お気に入りの数はどんどん増えていき、ついに200を突破した。みんな50万円ならワンチャン……と思っていることがわかった。己の値付けが絶妙であったことを知る。反応がなかったら、主に相続物件などを格安で売る「家いちば」に掲載しようと思っていたが、やはりマーケットは流動性が命。ジモティーで正解であった。

 

ワンチャン
「One Chance」の略で「もしかしたらいけるかも」といった意味合いを含む。「50万円ならもしかして買えるかも」。

 

家いちば
不動産業者を介さず、不動産の買い手と売り手が直接やり取りできる不動産ポータルサイト。特に空き家や古ビルに力を入れている。
https://ieichiba.com/

 

さて、学生に売ろうかプロの土建屋さんに売ろうか悩んでいたところ、メッセージが飛んできた。

 

「先ほどクレジットカードで購入したものです。キャンセルになってしまいましたが、お祖父さんのお宅を購入したく思っています。お電話ください」

 

しかし、ジモティーは電話番号など個人情報を直接やりとりすることは基本禁止だ。その人は何度も電話番号を書き込んでははじかれたのだろう。「直接お会いしたいので場所を教えてください」と送ってきた。傍目から見てもわりと必死な様子だった。

 

これはもう、直接話を聞いて、不動産はクレカで買えませんよと説明すべきだろうか……と思い、こちらから連絡をした。

 

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次ページ謎の人物「50万だったら騙されてもええかな」

本連載は、高殿円氏の著書、『私の実家が売れません!』(エクスナレッジ)から一部を抜粋し、実家じまいの実情について詳しくご紹介します。

私の実家が売れません!

私の実家が売れません!

高殿 円

エクスナレッジ

郊外築75年、大量のガラクタ、恐怖の再建築不可物件……。 残された実家は超問題だらけ!! 笑いと涙、前代未聞の実家じまい本! 維持費に相続手続き、片付けに親族問題、税金対策に売却まで、 いま話題の”実家じまい”…

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