(※画像はイメージです/PIXTA)

「中学受験はただの詰め込み勉強」という批判。はたして実情はどうなっているのでしょうか? 教育ジャーナリストが語ります。 ※本連載は安浪京子氏、おおたとしまさ氏の著書『中学受験の親たちへ 子どもの「最高」を引き出すルール』(大和書房)から一部を抜粋し、再編集したものです。

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中学入試の算数の問題は「世界遺産」である

中学受験勉強を、無味乾燥な知識の詰め込みであるとして端から切って捨てる人がいます。そういう人にはぜひ実際の中学入試問題を解いてもらいたいと思います。

 

国語なんて課題文を読むだけで泣けてきてしまうことがありますし、社会だってそのときどきの時事問題をうまく取り入れていますし、理科では与えられたデータから必要な情報を取り出してその場で論理を組み立てる力が求められています。算数にいたっては柔軟な思考力を試す問題がたくさんあることがわかると思います。

 

ある私立中高一貫校の数学の先生は、「入試を終えてから『楽しい問題だったなぁ』と思ってもらえるような問題を出すように心がけています」と言っていました。また、思考力を鍛える学習アプリの開発を行う企業の代表は、「中学入試の算数の問題は世界遺産にしてもいいのではないか」と言って笑います。

 

ある中学受験塾の先生の机には「算数オリンピック」の問題集がありました。理由を尋ねてみると、「中学受験の算数には算数オリンピックの問題を参考にしたと思えるような問題が多いんです」と教えてくれました。単に公式を当てはめればいいという問題ではないのです。

 

一方で、「中学生になればどうせ連立方程式を習うのだから、つるかめ算なんてやっても意味がない」という人が必ずいます。でもそれは、初等教育(小学校課程の教育)と中等教育(中学・高校課程の教育)の意味合いのちがいを理解していないといわざるを得ません。

 

小学校の理科では「水」と呼ばれていたものが、中学・高校の理科では「H2O」になります。水素分子や酸素分子という目に見えないもので構成されているということを理解するのです。算数が数学に置き換わるのも同様です。「りんごがいくつ、みかんがいくつ」と目に見える形での数を扱っていた算数から、文字式を扱う抽象的な数学に移行します。

 

小学校で習うことも中学・高校で習うことも基本的には同じ世の中の事象です。それを目に見える具体的な次元で理解しようとするのが初等教育の役割、目には見えない抽象的な次元で理解しようとするのが中等教育の役割なのです。

 

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中学受験の親たちへ 子どもの「最高」を引き出すルール

中学受験の親たちへ 子どもの「最高」を引き出すルール

安浪 京子 おおた としまさ

大和書房

中学受験では、親が子どもをサポートしようと一生懸命になるほど、無意識に子どもと一体化し、中学受験の迷信に縛られて子どもを追い詰めてしまいがちだ。子どもの人生は合格発表の瞬間に終わるわけではない。大人が子どもの受…

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