(※画像はイメージです/PIXTA)

「中学受験はただの詰め込み勉強」という批判。はたして実情はどうなっているのでしょうか? 教育ジャーナリストが語ります。 ※本連載は安浪京子氏、おおたとしまさ氏の著書『中学受験の親たちへ 子どもの「最高」を引き出すルール』(大和書房)から一部を抜粋し、再編集したものです。

中学受験勉強で得られる「学力以上のスキル」

でも、学力そのもの以上に、中学受験勉強は子どもにとって大きな成長の機会になると僕は思っています。

 

ノーベル賞を受賞した経済学者のジェームズ・ヘックマン博士は、小学生を集め、課題を出し、計画的に取り組ませ、最後にみんなで復習するという活動を2~3年間毎日行いました。

 

 

追跡調査の結果、子どもたちにとってその経験が、その後の人生において大きなスキル向上につながっていることがわかったというのです。継続的な努力によって、いわゆる非認知能力が向上したと考えられるのです。

 

博士がどんな課題を与えたのかまでは知りませんが、2~3年間、毎日、計画的に課題をこなし、みんなで復習するという構造自体は中学受験にそっくりではないでしょうか。成績はそこそこでも、中学受験の経験そのものがその後の人生に少なからず前向きな影響を与えることが期待できるという、僕の感覚とも一致します。

 

Pointまとめ
● 連立方程式とつるかめ算では、子どもにとって経験としての意味合いがちがう。
● 中学入試出題者の意図と塾による攻略法考案はいたちごっこ。
● 中学受験勉強で非認知能力も鍛えられる。

 

 

おおた としまさ
教育ジャーナリスト

 

 

中学受験の親たちへ 子どもの「最高」を引き出すルール

中学受験の親たちへ 子どもの「最高」を引き出すルール

安浪 京子 おおた としまさ

大和書房

中学受験では、親が子どもをサポートしようと一生懸命になるほど、無意識に子どもと一体化し、中学受験の迷信に縛られて子どもを追い詰めてしまいがちだ。子どもの人生は合格発表の瞬間に終わるわけではない。大人が子どもの受…

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