(※画像はイメージです/PIXTA)

中学受験する小学生の家庭での勉強時間について「学年+1時間」とは言われます。学校から帰ってくるのが16時だと、寝るのは0時になる計算です。実際はどうなっているのでしょうか。※本連載は安浪京子氏、おおたとしまさ氏の著書『中学受験の親たちへ 子どもの「最高」を引き出すルール』(大和書房)から一部を抜粋し、再編集したものです。

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家庭での勉強時間は「学年+1時間」

家庭での勉強時間について「学年+1時間」とはよく言われることです。中学生から使われる言葉ではありますが、中学受験生になると、6年生で「6+1=7時間」勉強している子の話も聞きますよね。学校から帰ってくるのが16時だと、そこから7時間の勉強と夕食やお風呂を入れて……寝るのはどうがんばっても0時!

 

実際、最難関中学に合格した家庭のスケジュールを見ると、0時過ぎまで勉強しているケースもあります。それを見て「そこまで勉強しないと合格できない」と焦る方も多いと思いますが、果たしてそこまでの勉強が必要でしょうか?

 

私の教え子に、今は高校生のHちゃんと中学生のY君がいます。Hちゃんは3年生から塾に通い、6年生になると塾は週4日、日曜の特訓授業は軽く6時間を超え、塾から帰っても寝る前に勉強、塾のない日は学校から帰ると毎日5時間以上勉強していました。

 

一方、Y君は4年生から塾に通っていましたが、5年生の後半から徐々に塾に行かなくなり、6年生の夏休み前に塾をやめました。その後、すべて個別指導に切り替えましたが、個別指導がない日は学校から帰ると、毎日の勉強時間は30分未満。

 

私がHちゃんとY君に出す宿題の量もまったく異なりました。Hちゃんには通常どおりの宿題を出していましたが、Y君に同じ量の宿題を出すと「そんなに無理」と、かえってモチベーションが下がり、勉強そのものを放棄してしまいます。私が二人に出した宿題の量は5倍以上の開きがあったのではないでしょうか。

 

そして、Hちゃんは念願の第1志望に合格、Y君は第3志望に合格。二人は今、同じ学校に通っています。

 

勉強時間と学習量については、結論からいえば「家庭の方針」「子どもの特性」次第となります。

 

塾を選ぶとき、おそらくほとんどの方が「合格実績」を意識されると思います。大手塾は「開成中〇人! 灘中□人!」と最難関校の合格人数を宣伝しますし、その人数を参考にはしますよね。しかし、その塾に入れば誰でもそれらの学校に合格できるわけではありません。最難関校に合格するためには並大抵ではない努力が必要であり、相応の時間と学習量を費やす必要があります。大手塾はその方法で結果を出しているわけですから、当然すべての塾生にそのやり方を求めます。

 

しかし今、中学受験は多様化しており、何が何でも(大手塾のコース名にありますね)この学校でなければ!というご家庭ばかりではなくなっています。また、がむしゃらに勉強して最難関中学に合格した経緯をもつ親御さんが「同じ中学を目指させたいが、自分のときほどは勉強をやらせたくない」と考える割合も増えています。

 

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中学受験の親たちへ 子どもの「最高」を引き出すルール

中学受験の親たちへ 子どもの「最高」を引き出すルール

安浪 京子 おおた としまさ

大和書房

中学受験では、親が子どもをサポートしようと一生懸命になるほど、無意識に子どもと一体化し、中学受験の迷信に縛られて子どもを追い詰めてしまいがちだ。子どもの人生は合格発表の瞬間に終わるわけではない。大人が子どもの受…

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