(写真はイメージです/PIXTA)

「相続税対策」「税務調査」のトピックとして名義預金はよく名前が挙がりますが、「名義株」にも注意する必要があります。税務調査での思わぬ追徴金・加算税を避けるためにどうすればよいのか、税理士法人・都心綜合会計事務所の税理士・天野清一氏が解説していきます。

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    「名義株」対策をしないまま相続が発生すると…

    名義株とは、株主が実質的な株主と異なる株のことです。よく相続では名義預金が問題になりますが、問題となるポイントは同じです。

     

    名義預金というのは、口座の名義人と実際に引き出して使う人が違う預金のことをいいます。相続で問題となるのは、親などが子ども名義の口座をこっそりと作って、そこにお金を入れている場合です。

     

    口座のお金は、外見上は子ども名義の預金になりますが、実際に管理している人は親ですので、この場合、実質は親の財産として扱われます。よって、親が亡くなれば相続財産となり、子どもは相続税を支払わなければなりません。

     

    名義株もこれと同じです。株主名簿や法人税申告書に添付する「同族会社等の判定に関する明細書」の上では子どもが株主であっても、実質的な株主は親である、というケースです。

     

    この場合、名義株は親の相続財産となるため、親が亡くなれば子どもに相続税がかかります。

     

    注意が必要なのは、名義株であることが税務調査で発覚すると、修正申告が必要になることです。このときは追加の税金に加えて、過少申告をしたことに対する加算税などのペナルティがあります。

     

    そこで、お子さんなどへスムーズに会社の株を贈与するには、名義株を疑われないための対策をとることが不可欠となります。

     

    ポイントはきちんと贈与が行われていることと、新しい株主が株主としての実態を備えている事実をきちんと記録することです。

     

    具体的にはまず、贈与について贈与契約書を作成します。贈与税が発生すれば、もちろん贈与税の申告も行います。この贈与契約書は、作成時に公証人役場で「確定日付」を入れてもらうことがおすすめです。

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