「孫と養子縁組」すると相続税対策ができるが…養子に“起こりうる災厄”について税理士が解説 (写真はイメージです/PIXTA)

「養子縁組と相続の関係」について、“二重相続資格”や“節税”といった観点から、税理士法人・都心綜合会計事務所の税理士・天野清一氏が解説していきます。

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    「養子縁組」“二重の相続権”をもつ可能性も

    養子縁組とは、血縁関係のない人同士を、法的に親子と認めるための手続きです。養子縁組で親子になると、養親には養子の扶養義務が生じ、養子は養親が死亡したときの相続人となります。

     

    養子縁組の基本としてまず知っておきたいのは、「普通養子縁組」と「特別養子縁組」の2種類があることです。どちらも法律上の親子関係を生じさせるものですが、実親との関係が異なります。

     

    まず、普通養子縁組の場合、実親との法律上の関係はそのままになります。そのため養子になっても、養親と実親の両方から遺産を相続することができる、二重(の)相続権をもつことができます。

     

    これに対し、特別養子縁組の場合は、実親との親子関係はなくなります。養親の相続人にはなれますが、実の親の相続人にはなれません。

     

    特別養子縁組は、子供の福祉のための制度であり、実の両親の同意がある15歳未満の子どもと、その子どもを実の子として育てたい夫婦だけに認められるものです。そのため本当の親と育ての親といった区別がなく、「養親=実親」になり、実親の相続人にはなれなくなるのです。

     

    続いて、相続と養子縁組の話でよく出てくる言葉「孫養子」についてお話します。その名のとおり、おじいちゃんやおばあちゃんと孫が普通養子縁組をすることをいいます。

     

    孫養子になると、祖父や祖母の相続人の資格を得ることになります。

     

    祖父や祖母が孫と養子縁組をすると、相続税の節税になるというメリットがあります。法定相続人が1人増えると、相続税の基礎控除額といって、相続税がかからない財産の枠が600万円も増えるのです。

     

    ただし、養子縁組によって、無制限に基礎控除額を増やせるわけではありません。

     

    基礎控除の計算に入れることのできる養子は最大2人で、祖父母に実の子がいれば1人までと決まっています。

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      税理士法人 都心綜合会計事務所 代表

      昭和24年3月 足立区で生まれる

      昭和46年3月 中央大学商学部卒業

      昭和50年4月 税理士登録

      昭和52年7月 天野清一税理士事務所開業

      平成16年8月 新宿区神楽坂に事務所を移転し、都心綜合会計事務所として現在に至る。

      平成17年7月~平成23年9月 TKC東京都心会 会長

      平成23年9月~ TKC東京都心会 顧問



      現在、全国相続協会相続支援センター新宿区神楽坂相談室の室長も務める。

      全国相続協会相続支援センター https://www.souzoku-kyoukai.com/

      著者紹介

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