都内・築古・ボロボロ物件を「リフォームして起きた」大惨事【不動産のプロが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

アパートの入居者を集めるため、オーナーが考え抜いてリフォームしても、結果は惨憺たる有様…。そんな経験をもつオーナーも多いのではないでしょうか。人気の高いアパートにするためにはリフォームが欠かせませんが、そこに「独りよがり」な目線が入ってしまうと、望む結果は得られないのです。専門家が分かりやすく解説します。

【関連記事】不動産投資「やめとけ」の真相…リスクを知らずに失敗する人、不動産投資を始めて成功する人の決定的な差

リフォームは「入居希望者のニーズ」の反映が必須

リフォームは、お客様(入居希望者)のニーズを聞いてから行うのが非常に重要です。その点で、ニーズを把握しているのはやはり賃貸仲介会社の営業マンであると言えるでしょう。

 

彼らは常に入居希望者に接しています。どんな賃料で、どんな間取りで、どんな設備にニーズがあるのかを瞬時に答えてくれます。ライバルになりそうな物件の情報や、直近で決まった物件の情報、対象物件の過去の認知度や評判までもがわかります。

 

賃貸仲介会社の営業マンは情報の塊です。特に成績を上げている営業マンは、そのエリアの全賃貸物件の情報が頭に入っていると言っても過言ではありません。

 

例えば、埼玉県の川越にある賃貸仲介会社の営業マンO氏は、駅周辺はもとより近隣駅の賃貸物件の情報も「一室違わず」現状を把握しています。なぜならO氏は、空き物件の状況、それらの室内の状態を、日々ネットや現地視察などで調査しているからです。ここまで詳しい内容を把握していれば当然、お客様の成約率も高く、入居希望者のニーズについての情報も豊富です。このような営業マンから得た入居希望者のニーズは、一般的な営業マンのそれと比較にならないぐらい的確です。

 

ですので、もし空室が多い物件を管理受託した場合には、まず、敏腕営業マンにヒアリングし、入居希望者のニーズを把握した上で賃料設定・リフォームなどを行いましょう。そうすることで、効率的な入居斡旋が可能となります。

 

ここである事例を挙げます。

 

A氏は、都内に築古の区分所有物件を買いました。しかし前オーナーが犬を6匹飼っていたため室内が大変傷んでいて、そのままでは貸すことができませんでした。

 

なにを思ったか、A氏は自らの手でリフォームをする道を選びました。なぜかと言えば、自分の考える理想の賃貸物件に仕上げたかったからです。すべての部屋の壁紙をはがし、漆喰を塗り、床もすべて張り替え、水回り、建具もことごとく交換しました。

 

休みもすべて返上し、朝早くから夜遅くまで作業に費やしました。すべてが完成したときには4カ月の月日が流れていました。

 

当初の募集賃料は相場賃料より5000円増し。A氏は理想の賃貸物件を作ったと自信を持っていましたので、すぐに入居者が決まると自信満々でした。

 

周辺の賃貸仲介会社はすべて回り、広告料を家賃の2カ月分支払うことを伝えました。相場以上の広告料を支払う条件なので案内は数多くありましたが、1カ月経っても決まらない。そこで案内をしてくれた賃貸仲介会社に断られた理由を問い合わせしたところ、残酷な一言が……。

 

「住みづらい」

 

A氏は思ってもみなかったことに、大変ショックを受けました。結局1カ月後に、相場賃料でなんとか入居者が見つかりました。

 

【※6月3日(土)開催】
富裕層のための不動産投資戦略
「資産10億円」&「キャッシュフロー2,000万円」構築術

あなたにオススメのセミナー

    武蔵コーポレーション株式会社 代表取締役

    昭和50年 埼玉県熊谷市生まれ。東京大学経済学部卒業後、三井不動産株式会社に入社。同社にて商業施設(ショッピングセンター)やオフィ スビルの開発・運営業務に携わる。平成17年12月同社を退社し、さいたま市において有限会社武蔵コーポレーション(現在は株式会社)設立。代表取締役に就任。賃貸アパート・マンション(収益用不動産)の売買・仲介に特化した事業を開始する。

    著者紹介

    武蔵コーポレーション株式会社 専務取締役

    昭和52年 東京都葛飾区生まれ。28歳の時に区分所有の物件を購入し、不動産投資を始める。平成18年創業期の武蔵コーポレーションに入社し、現場責任者として賃貸アパート・マンション(収益用不動産)の売買・ 仲介業務に携わる。特にリフォームに関しての経験は豊富で、現在までに 2000室以上の収益用不動産の再生(リフォーム・改修工事)に携わっている。再生後の物件入居率は99%を誇る。

    著者紹介

    連載空室率40%時代を生き抜く!アパート経営で「利益最大化」を実現するメソッド

    ※本記事は、『空室率40%時代を生き抜く!「利益最大化」を実現するアパート経営の方程式』(幻冬舎MC)より抜粋・再編集したものです。

    [増補改訂版]空室率40%時代を生き抜く!「利益最大化」を実現するアパート経営の方程式

    [増補改訂版]空室率40%時代を生き抜く!「利益最大化」を実現するアパート経営の方程式

    大谷 義武,太田 大作

    幻冬舎メディアコンサルティング

    人口減少、住宅供給過剰の社会において、アパート経営は、昔のように何もしなくても家賃が入ってきて利益の出るものではなく、工夫しなければ利益がでない厳しい環境になっています。 そこで本書は、アパート経営における利益…

    メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

    登録していただいた方の中から
    毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
    会員向けセミナーの一覧
    TOPへ