(※写真はイメージです/PIXTA)

家賃の滞納とは異なり、賃貸契約を結んだあとに「払う必要がないはず」「払うつもりがなかった」等と主張し、更新料や原状回復費の支払いを拒否する入居者もいます。こういったトラブルを回避するには、契約書作成時に十分な注意を払っておく必要があります。不動産のプロが解説します。

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「更新料」「原状回復費用」の無効を主張された場合

滞納とは「払うべきであるとわかっているのに払わない」ことですが、そうではなく、「そもそも払う必要がない」もしくは「払う意思はなかった」と契約後に言われるケースについてです。これは、更新料訴訟における「無効」の主張に見られます。また、原状回復費用(退去負担金)についても同様の主張をされます。つまり、支払義務自体が争いになります。

 

このようなケースを回避するには、賃貸借契約書に内容を明記しておく必要があります。

 

ややこしいのですが、これらは滞納とは性質が異なり、そもそも「契約の無効」を主張してくることに特徴があります。

 

まず更新料ですが、平成23年7月15日に最高裁の判決が出たことで、契約書に書いてあれば有効となりました。そのため、賃貸借契約書には、更新料についてははっきりと何年ごとにいくらかかるかを記しておく必要があります。明記さえしておけば、法外な額でなければ、入居者は必ず払わなければならなくなります。

 

次に原状回復費用(退去負担金)についてです。こちらも更新料同様、長い間裁判が行われてきましたが、同じく最高裁の判決が出ています。「賃貸借契約書に明記してある範囲については入居者が負担しなければいけない」という内容です。

 

ただし、東京ルールや国土交通省のガイドラインを超えて定めたものについては、訴えられた場合、貸主側は敗訴します。それでも、賃貸借契約書に、退去時にクリーニングを行うことや畳の表替えを行うことを明記しておく必要はあるでしょう。これをはっきりと書いていないと、退去時にそれすらも払う必要がないと言われ、貸主側は請求する権利がなくなってしまうからです。

 

非常に細かい内容ですが、これらを賃貸借契約書に明記することで、後々のトラブルはほとんど回避することが可能となります。

 

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※本記事は、『空室率40%時代を生き抜く!「利益最大化」を実現するアパート経営の方程式』(幻冬舎MC)より抜粋・再編集したものです。

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