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不動産投資は、長期的に安定した収入を得られる投資手法の一つです。サラリーマンをはじめとした会社員の間でも注目が高まっている不動産投資ですが、「詐欺でしょ…」「リスクしかないから絶対やめとけ」という声があるのも事実。巷の噂どおり、不動産投資は危ないお金の稼ぎ方なのでしょうか? 先に結論を言ってしまえば、「投資家が不動産投資に関してどれほど知識を有しているか」が成功率を左右します。そこで本記事では、不動産投資のいろはについて見ていきましょう。

 

不動産投資「やめとけ」と言われ続ける根本理由

FIRE(Financial Independence, Retire Early)という言葉も台頭してきた昨今。巷の書店を見れば、不動産投資をすすめる本がズラリと並んでいます。

 

「不動産×サラリーマン」「不労所得」といった言葉を見て、まずは情報収集でも……と思った矢先、インターネットを開いて見れば、「不動産投資はやめとけ」といった文言が溢れていることに気づきます。

 

なぜ不動産投資には悪い噂がつきまとうのでしょうか? それは「本当にやめておいたほうがいい場合もある」からです。

 

不動産投資に限らず、お金を守る・増やす・残すためには、プロにすべてを任せてしまうのは禁物。カモにされていないか?増やすどころか資産を減らしていないか?といった疑念を持たないまま、騙されてしまう人もなかにはいるのです。

 

裏を返すと、不動産投資で成功している人は自分の知識をしっかり身に着けている人といえます。では「不動産投資の知識」とは、いったい何でしょうか。一つ一つ追っていきましょう。

 

【関連記事】「FIREを目指す」早期リタイアにはいくら必要か…不動産投資・米国インデックスファンドのメリット

不動産投資とは…物件を「買って」「使って」「売る」

不動産投資とは、投資物件を購入、運用・管理をして家賃収入を得たり、物件を売却して利益を得たりする投資手法の一つです。マンションやアパートが主として人気ですが、戸建て投資や不動産投資信託といった種類も存在します。不動産投資会社から物件を購入した投資家は「オーナー」「大家」と呼ばれ、物件の所有者となります。

 

不動産オーナーは、入居者から月々の家賃を回収するため、安定した収入を得ることができます。多くの場合、購入にあたって融資を受けたり、実際の物件管理を委託したりしますから、ローン返済額やその他管理費、修繕費を差し引いたものが、月々の利益になります。不動産投資の儲け方について、詳しく見ていきましょう。

 

不動産投資の儲け方 (1)インカムゲイン

資産の保有中に得られる収益を「インカムゲイン」と呼びます。銀行預金なら利息、株なら配当金、そして不動産の場合は、家賃収入が基本的なインカムゲインとなります。

 

家賃収入を目的とした投資をするメリットには、その安定性が第一に挙げられるでしょう。物件の売却益と比べて1回あたりに入ってくる金額は多くないものの、毎月決まった家賃を長期間得ることができます。

 

インカムゲインを考えるうえでは、「利回り」、すなわち、年間の収益が投資額の何%かに着目する必要があります。特に重要なのは、賃料収入額だけでなく経費等の支出や空室リスクも計算に入れた「実質利回り」(ネット利回り)です。詳しくは、「不動産投資の利回りとは?計算方法、見方、相場と注意点」をご覧ください。

 

不動産投資の儲け方 (2)キャピタルゲイン

保有していた資産を売却し、得られる利益のことを「キャピタルゲイン」と呼びます。不動産の場合は、もちろん保有している物件の売却益を指します。

 

不動産投資は流動性の低い投資ですから、売却の狙いどきは、市場の動向や自身の資金繰りなどを確かめつつ、注意深く見極めていきましょう。所有している不動産が値上がりすることが明らかであるような状況の場合、キャピタルゲインを目的とした投資に切り替えるのも一手です。

 

改めて言うまでもないが…不動産投資は「事業」の側面が強い。

インカムゲイン、キャピタルゲインともに、不動産投資に限らず、株式投資や投資信託といった様々な投資でも使われている用語です。特に上記3つの投資手法は、馴染みのない人のあいだでも知られていますから、初心者の方は「全部こんな感じなんだな」と一緒くたに考えがちですが、少し注意が必要です。

 

なぜなら、不動産投資はもちろん投資ではあるものの、株式投資などと比べて「事業」の側面が強いからです。収支をもとに事業計画書を作ったり、家賃を回収したり、入居者からのクレームに応えたり……お客さんを相手にした一つの「ビジネス」といえます。

 

では、「投資」「事業」双方の視点から不動産投資を考えたとき、最大の注意点は何でしょうか。

不動産投資「最大のリスク」に気づかないと失敗する

不動産投資最大のリスク。それは「空室」です。好立地に建てられた物件であろうと、内装が綺麗であろうと、入居者がいなければ家賃は回収できず、月々の諸経費も膨らみ、マイナスになっていくばかりです。

 

たとえば次のような事例。不動産投資初心者だったAさんは、ワンルームマンション投資を始めましたが……。

 

不動産投資初心者の失敗談~ブログを鵜呑みにしてワンルームを買った~

年収600万円のAさん(35歳/男性)。投資に興味があり、20代のころは株やFXで小遣いを稼いでいました。しかし30代を過ぎ仕事が忙しくなってきた手前、逐一市場動向をチェックする余裕もなく、投資からはいったん離れていました。

 

そんな折、Aさんの目に留まったのがFIREでした。不動産投資で老後資金を集めて早期リタイア、優雅に不労所得で過ごす……という響きにAさんは魅了されます。

 

まずは情報収集!と思ったAさんがたどりついたのは、X氏のブログ。ワンルームマンション投資から始め、今では数棟を所有している「サラリーマン大家」として、ちょっとした有名人になっていました。

 

X氏が不動産投資をスタートした年齢・年収とほぼ同じだったAさん。働いている業種も近く、「会社員をしながらここまで道が分かれるのか……」と絶句しました。

 

境遇が似ていることだし、まったく同じルートをたどれば上手くいくのでは?と考えたAさん。X氏に倣い、東京近郊の中古アパートの一室を900万円で購入し、ワンルームマンション投資を始めました。しかし……。

 

広告にあまりお金をかけていなかったせいか、買って数年後、入居者がいない空室の期間がぽつぽつと発生するようになります。追い打ちをかけるように、隣に新築マンションが爆誕。比較して見れば、自身のマンションのボロが目立ちます。家賃相場もそれほど変わらないため、人が流れていってしまったのです。

 

ワンルームマンション投資の場合、空室が発生してしまえば、その期間のオーナーの収入はゼロ。管理会社への業務委託料は空室時も支払いますから、キャッシュフローはゼロどころかマイナスです(その点、一棟の所有者は、空室が発生してもほかの入居者から賃料を回収できますから、リスクヘッジはしやすくなっています)。

 

X氏と同じく、家賃保証すらつけていなかったAさん。入居者の募集に四苦八苦しながら、ローンを返済し続ける日々です。

 

不動産投資では空室リスクにとにかく気を付けよう

不動産投資をする際、考慮しておくべき点として第一に挙げられるのは空室リスクです。空室の発生・長期化は、利益の減少のみならず、最悪の場合は損失につながってしまう危険もあります。

 

空室になってしまう理由には、所有物件が抱える特有の原因と、土地も関係する包括的な原因の2種類があります。

 

設定している家賃が高かったり、そもそも広告を出していなかったりといった理由であれば、即時的な対応が可能です。しかし、周辺地域の過疎化(大学の移転などは大きく関係してきます)、地価の変動をはじめとした不確定要素の場合は、どう頑張っても改善しようがないのも事実。

 

不動産投資を始める際は、コントロールできない事象が発生し得ることをよく理解し、資金繰りや事業計画にある程度の余裕を持っておくことが大切です。不動産投資のリスクについては、詳しくは「不動産投資の7つのリスクと対処法|失敗しないための基礎知識」で解説していますので、ご覧ください。

 

……リスクばかりを言及してきましたが、もちろん、不動産ならではのメリットも多分にあります。不動産投資を始める人はどういった点に魅力を感じたのでしょうか。

「やめとく」前に知っておきたい不動産投資のメリット

不労所得を得られる

不動産投資が「不労所得」と呼ばれる所以は、管理会社に任せれば、自ら時間を割いて運営に関わる必要がない点にあります。家賃の回収、マンション・アパートの整備、居住者のトラブル対応まで、すべて一任することが可能です。

 

株式投資の場合は株価を細かくチェックする必要がありますし、金(ゴールド)への投資では、定額の利益を得ることができません。その点、「人に住んでもらうだけで家賃収入が毎月手に入る」不動産投資は、手間暇なくお金を稼げると考えられています。

 

もちろん、油断は禁物。プロを信じ切って物件を見ずに購入したところ、人がよりつかないオンボロ建物だった……なんて、耳を疑うトラブルも実際に起こっています。あくまで「自分の資産」という意識を持ち、定期的に「しっかり自分の目で確かめる」ことが一番の対策といえましょう。

 

節税効果がある~確定申告が必要になります~

ワンルーム、一棟問わず、ローンを組んで物件を購入した場合、初年度は大幅な赤字が発生するため、借入額と給与所得を合算して総所得を減らすことができます。結果として、所得税を減額することができるのです。

 

投資物件は減価償却が可能ですから、数年、数十年にわたって所得税を減らし続けることができます。なお、木造や鉄筋コンクリートなど、建物の構造によって節税できる期間が異なる点に注意してください。確定申告も必要になります。

 

また、不動産投資は相続税の減額にもつながります。現金と不動産では、たとえどちらも同じ1億円の価値だったとしても、相続税評価額の算出方法が異なるのです(現金のほうが割高です)。そのため現金を不動産に組み替えておけば、相続税をより抑えることが可能になります。

 

インフレ(インフレーション)に強い~市況の影響を受けづらい投資~

不動産投資では、現金や有価証券と違い、実際に形のあるものが収益を生み出しています(このような資産を「現物資産」と呼びます)。現物資産は市況の影響を受けづらく、特にインフレ(インフレーション)に強いと言われています。

 

インフレ時は貨幣の価値が下がって物価の価値が上がりますから、

 

●現金

資産価値3000万円 ⇒ <物価が1.5倍になっても>貨幣は3000万円のまま

 

●不動産

資産価値3000万円 ⇒ <物価が1.5倍になったら>価格変動の影響を受けるため、4500万円の価値になる

 

という事態が起こるからです。特に不動産投資の場合、「住」という人間生活の根幹に関わる投資であり、ほかの投資と比べて金融危機の影響を受けにくいのです。

 

新型コロナ感染拡大が続く現在、世界的にインフレが加速しています。米FOMC(連邦公開市場委員会)が2022年、金融引き締めを急ぐとの警戒感が強まっており、市場はさらに不透明感を増しているのです。

 

日本についても、物価価格は上昇傾向にあります。「成長なきインフレ」とも報じられている景況に、危機感を覚えている投資家は多く、現物資産への不安は高まっています。「インフレに強い資産」への組み換えを考える時期といえるかもしれません。

 

生命保険代わりになる

投資物件の購入にあたってローンを組む場合は「団体信用生命保険」と呼ばれる保険に加入することができます。

 

債務者が死亡したり、8大疾病などになったりした際、この保険に入っていれば、ローンの残債が一括返済されます。オーナーが死亡した場合、遺された家族は、ローンがない状態の物件から毎月まとまった収入を得ることができます。

不動産投資「資格」は要らないが…あれば強い資格3つ

不動産投資を始めるにあたって、資格は必要ありません。「サラリーマン大家」という言葉が台頭しているように、不動産投資は誰にとっても身近な投資に変わりつつあります。とはいえ、知識武装は必須。以下に挙げる資格を持っていれば不動産投資に「向いている」といえますし、保有していない場合は、資格を取ってみるのも一手です。

 

不動産投資に強い資格 (1)宅地建物取引士

通称「宅建」と呼ばれるもの。不動産取引に関する国家資格であり、宅地建物取引士資格試験を受験する必要があります。

 

宅建の資格を保有していると、入居契約締結前に行う重要事項の説明をすることができるようになります。また、宅建は建築基準法にまつわる勉強が必須ですから、建物の権利関係、法規制にまつわる知識が自然と身につきます。

 

不動産投資に強い資格 (2)マンション管理士

マンションを維持・管理するための国家資格です。区分所有者や管理者の相談に応じ、助言をすることが可能になります。

 

区分所有法や、大規模修繕などにまつわる知識を学ぶため、投資物件の運営に大きく役立ちます。一棟を所有したい方に、よりおすすめな資格といえるでしょう。

 

不動産投資に強い資格 (3)ファイナンシャルプランナー

投資に興味を持っていたら一度は聞いたことあるかもしれません。不動産に限らず、ひろく「お金の悩み」について考え、総合的な資金計画を立てる資格です。投資関連の知識はもちろん、税金の控除制度などについても詳しくなります。

 

ファイナンシャルプランナーの資格は1級~3級までありますから、知識レベルに応じた受験をできるのも魅力の一つといえるでしょう。

不動産投資の「セミナー」は怪しいものばかりなのか?

不動産投資を検討するとき、必ずと言っていいほど話題に上がるのが「怪しいセミナー」。セミナー終了時にはドアを閉められ、とじこめられた聴講者たちは営業マンから無理やり物件を買わされる……といった、おどろおどろしい恐怖話がまことしやかに囁かれています。

 

もちろん用心するに越したことはありませんが、「絶対騙す気だ!」と穿った姿勢で聞くと、本来知っておくべきだった情報を見落としてしまう可能性も。セミナーの仕組みを把握しておくことが大切です。

 

初心者?サラリーマン?融資は下りる?…アンケートの全貌

WEB、リアル問わず、至るところで開催されている不動産投資セミナー。参加者はかなりの高確率でアンケートを取ることでしょう。これらの情報は、不動産投資会社側が参加者の勤務先、現在の年収などを総合的に判断し、「融資が下りるのか」「ワンルームマンション投資タイプか、一棟投資タイプか」などを検討する要素になっています。

 

おすすめされる物件はセミナー主催者が「買ってほしい物件」に決まっている

セミナー主催者は「物件を買ってもらう」ことを意図しているため、多少のうさん臭さを感じてしまうのも仕方のないことなのかもしれません。ですから、セミナーを情報収集の場ではなく、商品説明会だと割り切るのも大切です。

 

「多くのセミナーに参加する」と捉えると気後れしてしまうものですが、「たくさんの商品説明会に参加して吟味する」と考えれば、フラットな視点を持てるでしょう。大きな金額を費やす不動産投資。「どの商品がいいか?」をしっかりと見極めるために、多くのセミナーに参加することは理に叶った行動といえます。

 

もちろん、納得のいくセミナーの場合はそのまま購入するのもアリですし、ある程度の営業を受けることは覚悟の上で、情報収集に努めるのも一手です。

 

【関連記事】不動産「AM・PM・BM」業務内容の違いをわかりやすく解説!不動産投資会社と管理会社の基礎知識

少額から始められる「不動産投資信託(REIT)」

一棟、ワンルーム、中古、新築……不動産投資といっても、そのタイプは様々。いずれにせよ大きな金額が動くことは確かです。「セミナーで物件価格を見て気後れした」「興味は持っているものの、なかなか最初の一歩を踏み出せない」といった方は、不動産投資信託からスタートしてみることも検討してみましょう。

 

少額で始められるという圧倒的強み

不動産投資信託、通称REIT(Real Estate Investment Trust)。日本の不動産投資信託の場合は、Japanの頭文字を取って「J-REIT」と呼ばれています。その名のとおり、投資信託の仕組みになっている金融商品です。

 

投資家から資金を集めて、不動産投資会社が物件を購入。賃料や物件売却益を取得し、諸費用を差し引いた利益を投資家に分配します。通常の不動産投資と大きく変わるのは、その換金性と「少額投資」。ワンルームや一棟投資では、巨額の資金を以て物件を購入しますが、REITは数万円からの小額投資が可能であり、換金も比較的楽にできます。

 

一棟 > ワンルーム > REIT

不動産投資初心者が一棟を買うのは、勇気とお金と覚悟を要します。物件の金額が億を超えることもザラですし(その分、キャピタルゲインは大きくなるともいえます)、なかなか手を出しにくい領域でしょう。銀行からの融資が下りない可能性だってあります。

 

購入する物件を考える際は、自身の資金繰りや将来設計を鑑みつつ、「一棟 > ワンルーム > REIT」の関係を思い浮かべるといいかもしれません。

不動産投資の始め方…ワンルーム・一棟/新築・中古

不動産投資初心者…まずは少額から?

いきなり大金をはたくのは不安、経験もないし……という不動産投資初心者の方は、少額から始められるJ-REIT、もしくはワンルームマンション投資が候補として挙げられるでしょう。前述のとおり、一棟は確固たる預貯金・年収がないと融資が下りにくいため、自然と選択肢は限られてくるかもしれません。

 

利率は問わず、安定した利回りを確保したいのなら、都心は安全圏といえましょう。リモートワークが進み人口分布が広がっているのは確かですが、東京をはじめとした首都圏の人気が衰えているわけではありません。特に「都心・新築」は誰だって好むもの。不動産投資会社の家賃保証などをしっかり確認し、第一歩を踏み出すのも一手です。

 

不動産投資中級者…ついに一棟投資?

中古一棟は、購入価格が低い分、新築よりも高い利回りを期待することができます。不動産投資のノウハウを押さえた「中級者向け」といえるでしょう。

 

ただ、新築に比べ人気が落ちるのはもちろんのこと、築年数次第では、修繕やリフォームを要する可能性はあります。これらのリスクヘッジ、物件管理を怠らずに行える人であれば、中古物件は魅力的な投資先になります。裏を返せば、あまりリスクを負いたくない、安定的な利回りがいい、という方には、新築一棟が向いているといえます。

 

不動産投資上級者…ギガ大家に?

何部屋、もしくは何棟も所有し、中古・新築問わず大家としてのノウハウがある「プロオーナー」は、海外不動産にも目を向けていることでしょう。

 

新興国などでは、数十%の利回りを期待できる地域もあります。もちろん、自分で気軽に物件を確かめられない手前、投資先としてのリスクは高いといえますが、不動産投資会社と信頼関係を築ければ、世界をまたにかける「ギガ大家」も夢ではありません。

不動産投資の「成功率」を高める「大切なポイント」

不動産投資会社の人気ランキングはチェックしておこう

不動産投資に限らずいえることですが、情報収集は必須。投資家は不動産投資会社を通じて物件を購入するわけですから、その会社が「どのような物件を扱っているのか」「過去の成功事例はあるのか」「管理・保証の環境は整っているのか」をくまなくチェックする必要があります。そのためにも、掲示板などに載っている不動産投資会社の人気ランキングはチェックしておいて損はないでしょう。

 

ただ、第1位だから安心、と思うのは禁物。かかりつけの病院や会社の取引先と同じく、「自分との相性」が関係してくることは確かです。数年、数十年とお付き合いすることになりますから、不動産会社は入念に入念を重ねて選んでいきましょう。

 

不動産投資に関する本も読んでおこう

不動産投資にまつわる本は巷に溢れています。どれを買えばいいのか迷ってしまうときは、下記のポイントをチェックしておきましょう。

 

●出版年数は古くないか

流動性の低い不動産投資ですが、法改正などの影響はもちろん受けます。こんな節税策がある!と書かれた本を鵜呑みにした結果、「いやいや、もう法律で禁止されましたよ」といった事態に陥る例は実際にあるのです(最近では、タワマン節税なども封じられてきています)。本を買う前に、最終ページにある出版年数はしっかりチェックしておきましょう。

 

●怪しい肩書の著者ではないか

不動産投資の世界では、怪しい業者がいるのも事実。書かれている内容がどんなに「よさそう」であっても、著者の肩書は必ず確認するようにしましょう。著者はどのような会社に所属しているのか、何かしらの資格を有しているのか、要チェックです。

 

●詐欺・犯罪まがいのことを言っていないか

あまりにも高すぎる利回りや、「裏技」といった手法に言及している本には注意しましょう。ほぼ犯罪・詐欺のような手法で入居者を集めている投資会社や投資家もなかにはいます。

 

「自分でもこんな簡単に億を儲けられるのか……!」と、アメリカンドリームのようなことが書かれた本には要注意です。カモにされる可能性があります。逆に「不動産投資って簡単なわけではないんだな」と、一歩冷静な視線を保てる本は優良といえます。

 

ローンの金利は複数の銀行で確認を

不動産投資では、住宅ローンと同じように巨額の借り入れをしますので、各銀行の金利はしっかり調べておきましょう。利率は1%未満~4%以上と、借入先ごとに大きく異なります。物件の選定が最重要ではあるものの、金利が今後数十年の資金繰りや不動産投資の成功率そのものを大きく変える要素になり得ることには留意してください。

 

不動産投資におけるローンの活用については、「不動産投資でローンを活用するメリット・注意点と審査におけるポイント」で解説しています。

不動産投資のまとめ

老後資金2000万円問題がとり沙汰されて以降、投資への興味関心は一気に高まりました。株や投資信託が一定の人気を保つなか、一際怪しいと思われがちな不動産投資ですが、リスクをしっかり把握し、適切な物件を購入・管理できれば、定額で安定した収入を得られる魅力的な投資手法であるといえます。

 

改めてお伝えすると、不動産投資は「事業」です。自身の持つ部屋(建物)にどうやって入居してもらうか? どうやって快適に住み続けてもらうか? 長期的な対策が求められるため、信頼できる不動産投資会社・不動産管理会社の選定がとても大切になります。

 

継続的な勉強が求められる不動産投資。情報収集を随時行うこと、プロに質問し、疑問点を徹底的に潰していくことが、成功への第一歩といえましょう。