アパートオーナー「退去負担金の取りっぱぐれ」を回避する方法 (※写真はイメージです/PIXTA)

アパートの退去時に、入居者が負担する「退去負担金」。できるだけ多く、回収を着実に行うことが、アパート経営にとって重要です。しかし近年では、回収できないケースも目立ってきました。退去負担金の回収には、いくつかの工夫が必要です。不動産経営のプロが解説します。

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「退去負担金」の回収には、周到なテクニックが必要

入居者が退去するときに支払う原状回復に要する工事費のうち、入居者が負担すべき金額を退去負担金と言います。この退去負担金をできるだけ多く回収することが、アパート経営においては非常に重要になってきます。住み方によっては、その原状回復費用だけで100万円近くかかるケースもあるからです。そして、この退去負担金の取りっぱぐれが増えてきているのも事実です。退去負担金を確実に回収するためには、いくつかの工夫を講じなければなりません。

 

退去負担金は「金額の確定」と「回収」という二つのポイントに分けて考える必要があります。

 

まずは「金額の確定」です。これは入居者が退去に当たって原状回復費用のうちいくら負担するかということです。

 

後述するように保証会社を利用することで回収自体に問題はなくても、前提として入居者にいくら支払うということを約束してもらわなければいけません。これが金額の確定です。この金額の確定にはまた二つのステップが重要になります。

 

一つめは賃貸借契約書にきちんと負担区分を明記することです。賃貸借契約書への記載がなければ負担区分は曖昧になり、現在の消費者保護の流れの中ではオーナー負担になってしまうケースがほとんどです。

 

次に退去立ち会いが重要になります。退去立ち会いとは、退去時に入居者立ち会いのもと部屋の中を確認し、どの部分が入居者の過失であるかというのを確認し、サインをしてもらうという行為です。例えば、たばこのヤニによってクロスが黄色くなっていれば、入居者の負担ということになります。

 

この退去立ち会いのやり方次第で入居者にいくら負担してもらえるか、その金額が決まってしまうのです。ここでサインがもらえなければそもそも債権になりませんので、保証会社の保証の範囲にもなりません。

 

このように、まずは退去負担金を多く設定し、入居者のサインをもらう(金額を確定する)ことが重要です。

 

そして、次に「回収」に関してですが、当社は保証会社を利用しています。

 

現在当社では提携する保証会社と商品を開発し、新規の入居者に関してはこの退去負担金までを保証の範囲としています。これによって退去時に保証会社から退去負担金が入ってきますので、いわゆる取りっぱぐれがなくなります。

 

また、この保証会社を利用することにより、初期費用なしで入居者募集ができるというメリットがあります。敷金とは本来退去したときの負担金を担保する目的で入居者から預りますが、それが保証会社で保証されることによって、敷金を取る必要がなくなります。

 

「敷金なし」で募集できればリーシングにおける競争力が増し、入居率が向上していくというメリットもついてきます。まして、昨今の不況によって入居希望者の傾向としては初期費用を軽減したいというニーズが大きくなってきています。初期費用を抑えること(かつリスクヘッジもできること)が入居者獲得に大きな効果を発揮します。

 

 

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武蔵コーポレーション株式会社 代表取締役

昭和50年 埼玉県熊谷市生まれ。東京大学経済学部卒業後、三井不動産株式会社に入社。同社にて商業施設(ショッピングセンター)やオフィ スビルの開発・運営業務に携わる。平成17年12月同社を退社し、さいたま市において有限会社武蔵コーポレーション(現在は株式会社)設立。代表取締役に就任。賃貸アパート・マンション(収益用不動産)の売買・仲介に特化した事業を開始する。

著者紹介

武蔵コーポレーション株式会社 専務取締役

昭和52年 東京都葛飾区生まれ。28歳の時に区分所有の物件を購入し、不動産投資を始める。平成18年創業期の武蔵コーポレーションに入社し、現場責任者として賃貸アパート・マンション(収益用不動産)の売買・ 仲介業務に携わる。特にリフォームに関しての経験は豊富で、現在までに 2000室以上の収益用不動産の再生(リフォーム・改修工事)に携わっている。再生後の物件入居率は99%を誇る。

著者紹介

連載空室率40%時代を生き抜く!アパート経営で「利益最大化」を実現するメソッド

※本記事は、『空室率40%時代を生き抜く!「利益最大化」を実現するアパート経営の方程式』(幻冬舎MC)より抜粋・再編集したものです。

[増補改訂版]空室率40%時代を生き抜く!「利益最大化」を実現するアパート経営の方程式

[増補改訂版]空室率40%時代を生き抜く!「利益最大化」を実現するアパート経営の方程式

大谷 義武,太田 大作

幻冬舎メディアコンサルティング

人口減少、住宅供給過剰の社会において、アパート経営は、昔のように何もしなくても家賃が入ってきて利益の出るものではなく、工夫しなければ利益がでない厳しい環境になっています。 そこで本書は、アパート経営における利益…

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