【関連記事】実は怖い「ひざの症状」をセルフチェック…即受診のサインは?
「ひざに溜まった水」は放置禁物だが…
Q1. ひざに水が溜まったら抜いたほうが良いのでしょうか?
⇒A. ひざに水が溜まった状態を放置しているとひざの曲がりが悪くなるうえ、大腿四頭筋が委縮してしまうという報告が出ていますので、放置するのは良くありません。
ただ、水を抜くときにはひざに注射針を刺すことから感染のリスクが高まるため、頻繁に抜くのも良くありません。水が溜まっていても生活に困らないという場合は無理に水を抜くことはありません。
何事も塩梅が大事で、水を抜くか抜かないかは患者さんの状態に応じて判断します。
<そもそも「ひざに水が溜まる」とは?>
関節液はひざの中で分泌と吸収を繰り返していますが、なんらかの原因で関節が炎症を起こすとそれを抑えようとして、関節液が多量に分泌されるようになります。また、変形性膝関節症などの疾患によって軟骨どうしがぶつかり合うことで、そのかけらが関節液に混じったときにも異物を察知し、洗い流すために関節液の分泌が増えることもあります。
こうして分泌と吸収のバランスが崩れて必要以上に関節液が増え、過剰分がひざに溜まった状態を「ひざに水が溜まる」といいます。
ひざに水が溜まると、関節内の圧力が高まって関節が不安定になります。また、関節液に圧迫されて血流が悪くなり、ひざの曲げ伸ばしをするたびに痛みが走るようになります。そのため、ひざを動かさないようにすることで筋力が衰えたり、血流がさらに悪くなったりします。すると、ますます関節が不安定になり、軟骨が破壊されたり炎症が起きたりします。それを察知して関節液がますます増える、という悪循環に陥る可能性があります。