「サプリでひざがラクになった!」はプラセボ効果
Q2. ひざに良いというサプリメントがたくさん出ていますが効果はありますか?
⇒A. サプリメントを飲用して軟骨ができるとか、痛みが治まってラクになるかというと、医学的には証明されていません。そもそも関節軟骨の中には血管も神経も通っていないので、飲んだサプリメントが食道・胃を通って腸で分解されて体内を巡り、それが関節の中にも入ってきたとして、軟骨にサプリメントの成分が届くとは考えられません。
確かに、グルコサミンやコンドロイチンは軟骨にとって良い成分ではありますが、それが関節の中に入る確率は非常に低いといえます。ただ、患者さんにとって「これを飲んでいるから大丈夫」という安心感が、プラセボ効果となって実際にひざの調子が良くなったと話す患者さんはいるのです。
今のところはサプリメントを治療に使うことはありませんが、科学的に有効性が明らかになれば、将来的に厚生労働省が薬として認めることとなると思われます。
ひざ治療の目的は「ひざの痛みを取ること」ではない
Q3. 処方された痛み止めで痛みが取れたら治ったということでしょうか?
⇒A. 痛みが取れることと、治ることは違います。痛みは、ひざの中で異常が起こっているのを知らせるサインではありますが、本当の原因は関節軟骨がすり減ったことなので、根本的な解決にはなっていません。
痛みをコントロールする目的は、痛みでひざを動かさなくなって筋力が低下し、症状が進行するという悪循環を断ち切るためなのです。したがって、痛みが取れたらひざを動かすようにしてひざの周囲の筋肉を鍛えるようにしましょう。