(※写真はイメージです/PIXTA)

「ひざの痛み」は放置すれば歩行困難にもなりかねない危険な症状です。初期から進行期であれば運動によって症状を改善させられますが、コロナ禍により身体を動かす機会がめっきり減ってしまったという人も少なくないでしょう。足を動かさなくなるとひざ周りの筋力が低下してしまい、関節の安定性が悪くなり、ひざの負担が増えて痛みが強くなるという悪循環に陥ります。ひざ痛が悪化しやすい状況だからこそ押さえておきたい知識を見ていきましょう。

「サプリでひざがラクになった!」はプラセボ効果

Q2. ひざに良いというサプリメントがたくさん出ていますが効果はありますか?

⇒A. サプリメントを飲用して軟骨ができるとか、痛みが治まってラクになるかというと、医学的には証明されていません。そもそも関節軟骨の中には血管も神経も通っていないので、飲んだサプリメントが食道・胃を通って腸で分解されて体内を巡り、それが関節の中にも入ってきたとして、軟骨にサプリメントの成分が届くとは考えられません。

 

確かに、グルコサミンやコンドロイチンは軟骨にとって良い成分ではありますが、それが関節の中に入る確率は非常に低いといえます。ただ、患者さんにとって「これを飲んでいるから大丈夫」という安心感が、プラセボ効果となって実際にひざの調子が良くなったと話す患者さんはいるのです。

 

今のところはサプリメントを治療に使うことはありませんが、科学的に有効性が明らかになれば、将来的に厚生労働省が薬として認めることとなると思われます。

ひざ治療の目的は「ひざの痛みを取ること」ではない

Q3. 処方された痛み止めで痛みが取れたら治ったということでしょうか?

⇒A. 痛みが取れることと、治ることは違います。痛みは、ひざの中で異常が起こっているのを知らせるサインではありますが、本当の原因は関節軟骨がすり減ったことなので、根本的な解決にはなっていません。

 

痛みをコントロールする目的は、痛みでひざを動かさなくなって筋力が低下し、症状が進行するという悪循環を断ち切るためなのです。したがって、痛みが取れたらひざを動かすようにしてひざの周囲の筋肉を鍛えるようにしましょう。

次ページひざ治療の最終手段「人工関節」について

※本連載は、松田芳和氏の著書『ひざ革命 最期まで元気な歩行を可能にする再生医療』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

ひざ革命 最期まで元気な歩行を可能にする再生医療

ひざ革命 最期まで元気な歩行を可能にする再生医療

松田 芳和

幻冬舎メディアコンサルティング

ひざ痛の予防から再生医療まで。 人生100年時代を豊かに生きるための「ひざ寿命」の延ばし方を徹底解説。 昨今、「健康寿命」の重要性が問われています。 人生100年時代といわれて久しいですが、その生活の質を左右す…

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