(※写真はイメージです/PIXTA)

事業計画を立てるとき、ビジネスモデルの設定が不可欠です。各業界ですでに成功している代表的なビジネスモデルが存在します。自社の事業計画で参考にできるものがないか、検討してみてはいかがでしょうか。※本連載は、井口嘉則氏の著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

ビジネスモデルを図示化する方法とは?

ビジネスモデルを表現するのに有効なのが、ビジネスモデルキャンバスというビジネスモデルの要素を9つで表現する方法です。

 

下記は、前項の図表1のビジネスモデル#10モノ+サービスというもので、典型例が建設機械のコマツがKOMTRAXをいうシステムを使って実現しているビジネスモデルです。

 

①ユーザーとニーズ

対象顧客、ターゲットユーザーは誰で、どのようなニーズを持っているのかを定義します。コマツの場合は、KOMTRAXで位置情報や稼働情報も取れるようになっているので、盗難対策や燃費のいい運転等のユーザーニーズに応えられます。

 

②提案

営業担当者からお客様にどのような提案が行えるかということで、コマツの場合、KOMTRAXを無料で顧客に開放していますから、位置情報や稼働情報ひいてはメンテ情報まで差し上げられますよ、と提案できます。

 

③流通(チャネル)

いわゆる販売チャネルのことです。小売店や代理店、ディーラー等を通じて販売します。

 

④関係

これは、ユーザーと事業者との関係ということになります。一般にメーカーとユーザーの関係は、商品を販売したら売り切りになりがちですが、コマツの場合は、KOMTRAXを通じて継続的な情報提供・関係を維持できお客様が浮気をしにくくなります。

 

⑤収入と流れ

お客様からいくらの代金をどのようなルートを通じて徴収するかを記述します。コマツの場合は、機器販売代金のみでなく、継続的な関係により、メンテ収入や買い替え・買い増しにもつながっています。

 

⑥活動と付加価値と⑦リソース

ここが自社・自事業が商品やサービスに付ける付加価値やリソースを定義する部分です。コマツの場合は、⑦のKOMTRAXというリソースを使って、商品企画・製造だけでなく、メンテ情報提供や営業提案ができるようにしています。

 

⑧パートナー

仕入れ先、サプライヤーとそのシーズを定義する部分です。コマツの場合は、ITパートナーも重要になってきます。

 

⑨コスト構造

パートナーから仕入れる部材のコストや自社での加工・組み立てコストにITコストが加算されます。

 

このように9つの要素でビジネスモデルの特徴を表現します。

 

[図表2]

 

ポイント

9つのセルでビジネスモデルの特徴を表す

 

井口 嘉則
株式会社ユニバーサル・ワイ・ネット 代表取締役
オフィス井口 代表

 

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事業計画書の作り方100の法則

事業計画書の作り方100の法則

井口 嘉則

日本能率協会マネジメントセンター

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