ビジネスモデルを図示化する方法とは?
ビジネスモデルを表現するのに有効なのが、ビジネスモデルキャンバスというビジネスモデルの要素を9つで表現する方法です。
下記は、前項の図表1のビジネスモデル#10モノ+サービスというもので、典型例が建設機械のコマツがKOMTRAXをいうシステムを使って実現しているビジネスモデルです。
①ユーザーとニーズ
対象顧客、ターゲットユーザーは誰で、どのようなニーズを持っているのかを定義します。コマツの場合は、KOMTRAXで位置情報や稼働情報も取れるようになっているので、盗難対策や燃費のいい運転等のユーザーニーズに応えられます。
②提案
営業担当者からお客様にどのような提案が行えるかということで、コマツの場合、KOMTRAXを無料で顧客に開放していますから、位置情報や稼働情報ひいてはメンテ情報まで差し上げられますよ、と提案できます。
③流通(チャネル)
いわゆる販売チャネルのことです。小売店や代理店、ディーラー等を通じて販売します。
④関係
これは、ユーザーと事業者との関係ということになります。一般にメーカーとユーザーの関係は、商品を販売したら売り切りになりがちですが、コマツの場合は、KOMTRAXを通じて継続的な情報提供・関係を維持できお客様が浮気をしにくくなります。
⑤収入と流れ
お客様からいくらの代金をどのようなルートを通じて徴収するかを記述します。コマツの場合は、機器販売代金のみでなく、継続的な関係により、メンテ収入や買い替え・買い増しにもつながっています。
⑥活動と付加価値と⑦リソース
ここが自社・自事業が商品やサービスに付ける付加価値やリソースを定義する部分です。コマツの場合は、⑦のKOMTRAXというリソースを使って、商品企画・製造だけでなく、メンテ情報提供や営業提案ができるようにしています。
⑧パートナー
仕入れ先、サプライヤーとそのシーズを定義する部分です。コマツの場合は、ITパートナーも重要になってきます。
⑨コスト構造
パートナーから仕入れる部材のコストや自社での加工・組み立てコストにITコストが加算されます。
このように9つの要素でビジネスモデルの特徴を表現します。
9つのセルでビジネスモデルの特徴を表す
井口 嘉則
株式会社ユニバーサル・ワイ・ネット 代表取締役
オフィス井口 代表
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