「引っ越したくない」大阪・50代男性…住宅ローン残額に撃沈【滞納問題のプロが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

住宅金融支援機構が公表しているデータによると、コロナ禍の現在、25人に1人が住宅ローンの返済に問題を抱えていると分かっています。他人事ではない住宅ローン危機。ここでは、50代で転職を余儀なくされ、住宅ローンが払えなくなってしまったEさんの事例を、クラッチ不動産株式会社代表取締役・井上悠一氏が紹介します。

50代男性・ローン3ヵ月滞納したが…「住み続けたい」

Eさん〈大阪府狭山市在住/職業:会社員・元自営業者/年齢:50代〉

 

○不動産……………………中古戸建

○住宅ローンの残額………1200万円

○実勢価格……1100万円

○他債務………なし

 

Eさんは20年前に住宅ローンを35年ローンで組みました。ですが、営んでいた工務店がうまくいかず閉店し、就職し会社員となりました。しかし、50代になっていたこともあり、思ったような収入を得ることができませんでした。貯蓄も底を突き、いよいよ住宅ローンを支払うことができなくなり、私のもとにご相談に来られました。

 

すでに、住宅ローンを3ヵ月滞納されており、このままいくと競売か任意売却となり退去しなければならない状況でした。

 

しかし、障がいのある息子さんを抱えており、環境を変化させたくなく、住み慣れた自宅に住み続けたいとの強いご希望がありました。ハードルは高いが、住み続ける方法として①親子間売買と②リースバックがあること、すでに滞納しており実勢価格から考えて微妙なラインだが、おそらくオーバーローンになってしまうことをお伝えしました。

 

※ 自宅の評価額よりも住宅ローンの残金が上回ること。

 

その結果、Eさんからお嬢さんに親子間売買することを希望されました。

 

まずは、今の住宅ローンの債権者と交渉し、売出価格の提示をしてもらいました。そうすると、1000万円で売却してほしいとの打診がありました。予想どおり、オーバーローンになり任意売却のなかで親子間売買を目指すことになりました。

 

もちろん、お嬢さんが住宅ローンの審査に通らなければ、通常の任意売却となり、他人の手に自宅が渡ってしまいます。

 

そこで、次に郊外の中古戸建に強い保証会社で、お嬢さんの住宅ローンの審査の申請を行いました。結果的に、物件の評価が低く、800万円までの融資であれば可能だが、それ以上は融資できないとの回答が返ってきました。

クラッチ不動産株式会社 代表取締役
一般社団法人住宅ローン滞納問題相談室 代表理事 

兵庫県立姫路西高校卒業、立命館大学卒業。
弁護士を志し、立命館大学法科大学院へ進学するも、断念し、東証一部上場企業にて内部監査業務に従事。
自身のマンション購入をきっかけに不動産業界に入る決意をし、住友不動産販売へ転職。
法科大学院時代の友人弁護士から弁護士業務専門の不動産会社があることを知り、司法試験の経験が活かせると考え、中央プランナーへ転職。
任意売却専門の仲介会社である、クラッチ不動産株式会社を設立し、住宅ローンで悩める方のリスタートを支援。
一般社団法人住宅ローン滞納問題相談室を設立し、住宅ローンでお困りの多くの方々の幅広い相談に乗る。

著者紹介

連載あなたを住宅ローン危機から救う方法

※本連載は、井上悠一氏の著書『あなたを住宅ローン危機から救う方法』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

あなたを住宅ローン危機から救う方法

あなたを住宅ローン危機から救う方法

井上 悠一

幻冬舎メディアコンサルティング

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