(※写真はイメージです/PIXTA)

住宅金融支援機構が公表しているデータによると、コロナ禍の現在、25人に1人が住宅ローンの返済に問題を抱えていると分かっています。他人事ではない住宅ローン危機。ここでは、50代で転職を余儀なくされ、住宅ローンが払えなくなってしまったEさんの事例を、クラッチ不動産株式会社代表取締役・井上悠一氏が紹介します。

物件の評価額が、ローンの残額より低いが…

200万円、諸費用を含めると250万円程度の不足額が発生してしまっています。貯金を全部切り崩すと準備できそうだとはいえ、頼みの綱のお金であるため、かなり悩まれているご様子でしたが、祖父母と障がいのあるご家族のために親子間売買をすることを決断されました。

 

最後に、オーバーローンで任意売却になっているため、Eさんの債権者であるサービサーと交渉することになりました。

 

ここでいちばん気を付けなければならないことは、債権者に親子間売買するならば、全額返済(1200万円全額)をしてほしいといわれることです。そうなってしまうと融資額も足りず、貯金をプラスしても前に進めることができなくなってしまいます。

 

債権者に事情を説明し、廉価で購入するわけではない適正価格の売買なので、なんとか稟議を通してほしい旨を説明しました。その結果、債権者の承諾が得られ、無事に親子間売買を成立させることができました。

 

その後、Eさんは自己破産をすることも考えていらっしゃいましたが、息子さんのための保険が多少あること、住宅ローンの残額も200万円とそこまで多くないことから、債権者と交渉し、1万円ずつですが返済していく道を選択されました。

 

 

井上 悠一

クラッチ不動産株式会社 代表取締役

 

※本連載は、井上悠一氏の著書『あなたを住宅ローン危機から救う方法』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

あなたを住宅ローン危機から救う方法

あなたを住宅ローン危機から救う方法

井上 悠一

幻冬舎メディアコンサルティング

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