(※写真はイメージです/PIXTA)

保有するアパート・マンションを「管理客付一体型」の管理会社に一任しているオーナーも多いでしょう。とくに2代目オーナーは、親と同じ運営方法を深く考えずに選択しているかもしれません。親の代であれば、確かにこの方法は便利なシステムでした。しかし、近年の市況にはマッチしているとはいえないのです。専門家が分かりやすく解説します。

 

【関連記事】不動産投資「やめとけ」の真相…リスクを知らずに失敗する人、不動産投資を始めて成功する人の決定的な差

「一体型」の管理会社が募集の間口を狭めてしまう

「管理客付一体型」(以下「一体型」)の管理会社の最大の特徴は、その名前の通り、管理会社が賃貸仲介のために賃貸仲介店舗を持ち、自社(グループ会社も含む)で仲介(客付け)をすることです。

 

これによって、管理会社がオーナーさん側と利益相反の関係になってしまいますが「一体型」の管理会社の問題はそれだけではありません。「入居者募集の間口が、基本的にはその会社だけ」に狭められてしまう点も大きな問題として挙げられます。

 

よくある例として、「空室期間が長くなるのだけれど、どうも自分のアパートには入居希望者を案内されている形跡がない」と相談に来られるオーナーさんがいらっしゃいます。その原因がこの管理システムにあります。

 

昔は1社のみで客付けしても満室にできる時代でした。しかし、現在および今後は、住宅が余る時代です。もうすでに、1社単独で満室にできる時代は終わっています。

 

[図表1]

 

ではなぜ、このような形態の賃貸管理会社が、現在でも業界の大勢を占めているのでしょうか。その原因は、賃貸住宅の歴史にあります。

 

わが国は、戦後長らくバブル崩壊後までの期間、住宅不足の時代が続きました。店頭に多くの入居希望者が列をなし、部屋を貸してくれと言ってくる状態でした。

 

これは例えるなら、東日本大震災後のスーパーに人が大挙して訪れ、我先にと水や食料を求めた状態と同じです。圧倒的に需要が供給を上回っているため、「売る」ための工夫は必要なかったのです。いわば特殊な市場と言えます。

 

こういった状態では、仲介(客付け)と管理という二つの相矛盾する立場が混在していても問題はありませんでした。問題が表面化してこなかったと言えます。

 

しかし、現在およびこれからのアパート経営は、何もしなくても入居者が入る時代ではありません。そこでは、管理の立場や役割の明確化が求められ、オーナーさんの利益になる仕組み、やり方が求められる時代になっているのです。

 

杉原 杏璃 氏登壇!
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
(入場無料)今すぐ申し込む>>

 

注目のセミナー情報

​​【海外活用】12月7日(土)開催
従来の分散投資で資産を守れるのか?
新時代の富裕層が実践する
金融大国「シンガポール」や「フィリピン永住権」を活用した新・資産防衛法

 

【国内不動産】12月7日(土)開催
元サラリーマン大家の現役投資家社長が伝授…
インバウンド需要を逃すな!
《札幌・民泊投資》で勝ち組になる方法

次ページ「一体型」の管理会社の、募集間口が狭くなる理由

※本記事は、『空室率40%時代を生き抜く!「利益最大化」を実現するアパート経営の方程式』(幻冬舎MC)より抜粋・再編集したものです。

[増補改訂版]空室率40%時代を生き抜く!「利益最大化」を実現するアパート経営の方程式

[増補改訂版]空室率40%時代を生き抜く!「利益最大化」を実現するアパート経営の方程式

大谷 義武,太田 大作

幻冬舎メディアコンサルティング

人口減少、住宅供給過剰の社会において、アパート経営は、昔のように何もしなくても家賃が入ってきて利益の出るものではなく、工夫しなければ利益がでない厳しい環境になっています。 そこで本書は、アパート経営における利益…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録