(※写真はイメージです/PIXTA)

「看板」は店の広告手段の一つですが、「集客」を目的とせずに使用することもあります。どんな目的で設置されているのか? 看板製作会社「有限会社オチスタジオ」の代表・越智一治氏が、マーケティングの視点から見た看板について解説していきます。

看板は地味になるのに「集客力が上がる」戦略

ちなみに、各市町村の景観条例は景観法という法律に基づくもので、条例の内容に適合していなかったり、変更命令や勧告を受けても従わなかったりした場合は、法律の規定によって50万円以下の罰金が発生することもあります。

 

規制を受ける市内の店などは、看板が目立たなくなることによって集客力が低下する可能性があります。ただ、自分の店の看板だけが目立たなくなるわけではなく、近隣の店も条例によって規制されるため、競合店も同じ条件なのでそこまで問題ではありません。

 

むしろ、条例によって落ちついた街並みやきれいな景色が保たれれば、他県などからの観光客が増え、集客数が増える可能性が見込めます。街の価値向上という点から見ると、看板は目立たせることによって集客するだけでなく、目立たせないことによって集客するという両方向のマーケティング戦略がつくれるということです。

 

集客が関係ない観光地以外の場所では、例えば、高級住宅街である兵庫県芦屋市では、ビルの屋上看板が禁止されています。回転灯や点滅灯、ネオンやLED看板も原則禁止で、金沢市などと同様に、色使いについては彩度の規定があります。

 

このような規制を行う理由は、一つでも派手な看板があることによって落ちついた雰囲気が壊れるためです。マーケティングの視点から見ると、看板はまちづくりに影響する重要なパーツの一つであり、街の雰囲気づくりに大きく影響する存在感とインパクトをもっているということです。

 

 

越智 一治

有限会社オチスタジオ 代表取締役

※本連載は、越智一治氏の著書『看板マーケティング戦略』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

看板マーケティング戦略

看板マーケティング戦略

越智 一治

幻冬舎メディアコンサルティング

ピーター・ドラッカーは、マーケティングの理想は「販売を不要にすること」であると言いました。 つまり、営業マンが売り込みに走り回らなくても、商品やサービスが「自ずから売れるようにすること」が究極のマーケティングだ…

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