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近隣に店舗がないのに「看板を出す企業」の意外な真意
自社のイメージアップや社員に向けたメッセージを伝えるための手段として看板を使うことがあります。例えば、銀座の中央通りを歩いていくと、ソニー、日産、大手銀行の看板などが目に留まります。
大阪の道頓堀はグリコの看板で有名ですし、私の地元の札幌では、ニトリ、ほくでん、とんでん、ツルハ、つぼ八、よつ葉乳業など、北海道民なら誰でも知る北海道発の企業の看板がたくさん掲げられています。
看板の近くに店舗があるなら、看板を出すことによって「ここに店があります」と伝える効果があります。しかし、これら企業の店舗は近隣には見当たりませんので、集客効果は生まれません。
また、企業看板のほとんどは商品やサービスではなく社名だけを周知している看板ですし、そもそも看板を出している企業の多くはすでに十分に知られている企業ですので、知名度向上のためにわざわざ大きな看板を出す必要性も低いといえます。
それでもコストをかけて大きな看板を出す理由は、社外、社内の人に向けたコミュニケーションのためです。
社外に向けては、一等地の目立つ場所に看板を出すことにより、大手企業ならではの安心感を与えることができます。安心感があるほど、その会社の商品が安全であるという印象も与えられます。取引先も安心して一緒に仕事ができますし、これから就職や転職を考えている人には、安心して勤められる会社という印象を与えられます。
社内向けのコミュニケーションは、社員や社員の家族に向けてのものです。自分の会社が一等地に看板を出していれば、大手企業に勤めている満足感と安心感が得られます。自分の会社に誇りをもち、モチベーションも高まりやすくなります。