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経営の仕組みの根幹…そもそも経営計画とは
2つの側面で経営を支える
それでは、経営の仕組みの根幹たる経営計画について話していきます。
経営計画とは、会社のビジョンを明示し、そのビジョンを実現するための計画作りです。たとえば、建物を建てる場合に、設計図と作業工程表なしに作業を進めていくことはありません。
もし、設計図や作業工程表もなく建設を進めていくとなると、担当者は、どのような建物になるのかがわからないために、どの材料を使用してよいかもわかりません。また、いつの時点で作業が開始されるのかもわからないため、作業が進められません。これでは建物を建てることはできません。
会社経営では、この「設計図」はビジョンにあたり、「作業工程表」は具体的施策と行動計画にあたります。
計画とは、「予測」を立てることではなく、「目標」を立てることです。
会社が発展していくためには経営計画によって会社のビジョンを示し、その経営ビジョンを実現するための具体的な施策を考えることが必要なのです。そしてその施策はきちんと計画にもとづいて実現していくことが大切になります。
経営計画には、大きく分けて2つの側面がある。
具体的行動
それは、ビジョンを提示した「設計図」と具体的な施策と行動計画を示した「作業工程表」である。
小さな会社ではA4用紙一枚でできる経営計画の作り方
社員参加の経営計画作り
経営計画は、社員参加型で作成していきます。社長がひとりで作成するより時間がかかる点はありますが、社員にとっては自らが参加して作成したという思いが強くなり、より大きな成果が期待できます。以下に、社員を参加させた経営計画の作成について、具体的にご説明します。
1.経営計画委員会を立ち上げる
経営計画を作成するプロジェクト(「経営計画委員会」といいます)のメンバーは、社長、役員、部門長その他必要に応じて施策の責任者を任命します。プロジェクトの進行状況を把握するため、議事録作成や資料の取りまとめ役を経務部門あるいは企画部門から任命し、事務局とします。毎月、経営計画委員会を開催し、経営計画を作成していきます。
2.経営計画はA4用紙一枚で作る
中小企業の場合は、人数が限られていて、部門や職務を兼任したりしています。日常の仕事に追われ、時間を作ることができません。そこで、経営計画はA4用紙一枚で作ることをお勧めします。筆者が考案した経営計画書は、詳述します。A4用紙一枚ではありますが、経営ビジョンを達成するためのテーマが揃っており、十分に経営ビジョンを明示できます。この経営計画書には次のようなメリットがあります。
①経営計画全体が一目で俯瞰でき、一覧性がある
経営計画を見るために、何枚も紙をめくる必要がなく、この一枚を見ることで、会社がどの方向に、どのように進んでいくのかが一目でわかります。
②「11のテーマ」に答えるだけで完成する
筆者が考案したA4用紙一枚の経営計画書には11のテーマ(12は総括)の見出しがあり、テーマに応じて枠の中に記載することで経営計画書が完成します。
③会社の基幹表の位置づけになる
会社の規模や事業内容により、本計画書以外に必要な管理表があれば、本計画書を基幹表として、別途作成し添付するようにします。
社員参加の経営計画は、自らの意思が入るため、目標達成意識が高くなる。
具体的行動
社員参加で、手間のかからない経営計画を作ろう。