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海外からの資金を得て企業再生に成功したシャープ
窮境に陥った企業が海外からの資金を得て再生を果たした代表例として、シャープがあります。
シャープは、2000年代にもっぱら液晶テレビに力を入れて業績を急拡大し、2008年3月期には過去最高となる売上高3兆4177億円、純利益1019億円を計上しました。
しかし、2010年代に入ると同社の経営状況は一変します。低価格を武器にした韓国メーカーとの市場競争に敗れた結果、2011年度には3760億円、2012年度には5453億円もの巨額赤字を出す状況に陥ってしまったのです。
巻き返しを図ったシャープは事業構造改革などを進め、一時は回復基調をたどるかに見えました。
しかし、事態は再びマイナスの方向に向かいます。主力製品の中・小型液晶パネルの売上が想定を下回るなど、同社の業績は急激に悪化していったのです。
2015年には、日本格付研究所がシャープの発行体格付けを「ダブルB」から「ダブルC」に3段階引き下げました。「単体ベースで債務超過となっており、連結ベースでも債務超過寸前」であることが理由でした。
シャープはまさに倒産前夜の状況を迎えることになったのです。
鴻海精密工業の支援を受け「負の遺産」一掃に成功
こうしたシャープの危機的状況を救ったのが、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業でした。鴻海は、2016年に総額3888億円の出資を行い、シャープの筆頭株主となりました。また、同年8月に開かれたシャープの臨時取締役会で、鴻海グループのナンバー2だった戴正呉(たいせいご)副総裁(当時)が新社長に就任することになりました。
以後、鴻海の主導によりシャープの経営改善が急ピッチで進められていきます。戴正呉社長のもとで徹底したコスト削減と業務の効率化が行われました。
具体的には、テレビや白物家電の生産の一部を鴻海に移し、物流を鴻海グループと統合。太陽電池の赤字の主因の一つだった割高な原料調達契約も見直されました。
こうした経営立て直しの取り組みの結果、シャープの業績は立ち直り始め、2017年4~6月期は7年ぶりの最終黒字に転換しました。株価も1年前の約4倍もの水準に回復したのです。
2019年6月には、支援を受けるために主力取引銀行2行に発行した優先株をすべて買い取り、消却したと発表し、「負の遺産」をすべて一掃したことを明らかにしました。
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