(※画像はイメージです/PIXTA)

新型コロナウイルス感染拡大による経済危機は、多くの企業に打撃を与えています。そんななか、海外の投資家は日本企業に注目しています。今回は世界的企業のシャープが、債務超過寸前の危機的状況から「企業再生」を実現した背景についてみていきましょう。

Win-winの関係を理想的な形で築いた鴻海とシャープ

このようにシャープは、鴻海から得た資金によって見事にV字回復を遂げ、再生に成功しました。

 

シャープが鴻海というスポンサーを得てこのような成功を実現した要因としては、両者が互いに補完しあえる関係にあったことが挙げられるでしょう。

 

まず、シャープは、創業以来、高い技術力・開発力を備えていました。一方、鴻海は生産効率化のノウハウや国際的な販売網を有していました。

 

こうした両者がもつメリットを組み合わせることによって、事業価値の最大化を図ることが可能となったのです。また、鴻海はもともと製造受託業者であり、アップルの製造パートナーとして巨大な売上を得ていましたが、独自のブランド商品はありませんでした。

 

それが、スポンサーとなることによって、シャープというブランドを手にすることができたのです。

 

このように両者にとってウィンウィンの関係を理想的な形で築くことができたのは、鴻海から派遣された戴正呉社長(当時・現シャープ会長兼CEO)が日本の企業社会や経営のあり方について十分に理解していたことも深く関係していました。戴氏はあるインタビューで次のように語っています。

 

「シャープの再建は『鴻海流』で行われたとよくいわれますが、私は『日本式』で再建したと考えています。もちろん、『鴻海流』の挑戦する風土やスピード感といったものを、経営のなかに活かしているのは事実です。

 

しかし、私が、大同股份有限公司時代に、日本に駐在し、日本人の上司から学んだこと、そして、シャープの創業者である早川徳次氏の経営の考え方も活かしています。鴻海流、日本流、早川流のミックスだといえます」(CNETJapan「再建は鴻海流、日本流、早川流のミックス」─大河原克行著シャープ戴会長兼社長ロングインタビューより)

 

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中澤 敏和

幻冬舎MC

米中経済戦争、消費税増税、コロナショック…中小企業が令和不況に打ち勝つための処方箋。大手監査法人、外資系コンサルティングファームで多くの企業の財務アドバイザーを歴任してきた“事業再生のエキスパート”が解説。

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