国内需要がないサービス・商品でも海外には活路がある
リーマン・ショック、東日本大震災、コロナ禍というように、日本の中小企業は、ここ10数年のうちに起こった計り知れない災厄の数々によって苦しめられ続けており、そしてこれからさらに、人口減少の問題や日本経済の地盤沈下に直面しようとしています。
このかつてない危機的状況を乗り切るために、企業経営者は策を講じていかなければなりません。
すでに、おそらく売上・利益が低下し、経営が傾き始めている企業経営者のなかには、「一刻も早く、生き残るための処方箋を知りたい」という人がいるはずです。
結論からいえば、業績が悪化している中小企業が現状を打開するためには、グローバルマーケットに活路を見いだすことが最も効果的な対策となるはずです。すなわち、現在、多くの大企業が行っているように、中小企業も海外市場を開拓することによって、生き残りの道を切り拓くことができるのです。
国内では満足のいく売上を立てることができなくても、国外で十分な売上を得られれば、それだけで業績を改善することが可能になります。
たとえば、小売業であれば、自社製品に対する需要のある海外エリアに新たに5店舗ほど出店し、1店舗あたり4億円稼げるとすれば20億円の売上増が計算できます。また、1点2万円の価格の自社製品が、国内マーケットとは別に海外マーケットで新たに5万点売れるのであれば10億円の増収が見込めます。
しかも、日本ではすでに流行が終わった、賞味期限が切れたと見られているような商品・技術・サービスであっても、海外の市場ではまだその存在が知られておらず、十分価値があると評価される可能性もあります。
コロナ禍だからこそ、グローバル化を試みることが可能
もっとも「コロナ禍の中で海外渡航さえ難しい状況なのにグローバル展開など可能なのだろうか」と疑問に思う人もいるかもしれません。
しかし、コロナをきっかけにして、Zoom等のビデオ会議システムを利用した海外とのやりとりが当たり前となり、活発に行われています。著者自身もそうしたシステムやツールを用いて、海外企業との交渉などをごく日常的に行うようになり、何の問題も感じていません。
また、日本ブランドの商品・技術・サービスへの注目度は依然として高く、日本の製品であるというだけで、他国の事業者・消費者の注目を集められる可能性が十分にあるのです。
そのなかにはコロナの感染が広がったことをきっかけに関心を寄せられたようなものもあります。コロナ時代の「巣ごもり文化」に、日本固有の文化が個別的に適合するケースが多いのです。
日本商工会議所も中小企業の海外進出を重視している
実際、現在、中小企業に海外進出を強く促す声はさまざまなところから上がっています。たとえば、日本商工会議所もコロナ禍のなかで、中小企業が見いだすべき活路の一つとして海外展開を重要視すべきことを訴えています。
同所が2020年8月に公表した「2021年度中小企業・地域活性化施策に関する意見・要望」では、新型コロナウイルスの感染拡大によって倒産・廃業が急増する恐れがあることへの懸念を述べたあと、そうした状況を打開するために「海外ビジネス展開支援、自由貿易体制の堅持、経済連携協定の推進」を要望項目の一つとして挙げています。
具体的には、以下の4つの事項です。
①グローバルな経済活動の再開に向けたタイムリーな情報提供や人の往来を支える検査・医療体制の早期拡充②自由貿易体制の一層の推進、日米貿易協定、TPP11、日EU・EPAの活用促進、RCEP等の経済連携協定の交渉推進③特定原産地証明書のオンライン発給の早期実現④各国で感染拡大が収束し、国際的な経済交流活動が再開した際には、国内中小企業の輸出促進を図るなど、外需取込みに向けた中小企業の国際化支援の強化
また、この要望項目とは別に、海外への直接輸出・投資を行う中小企業の比率を今後5年間(2025年まで)で10%向上させることが必要であるという見解も示されています。
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