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「海溝型地震」「直下型地震」の2種類を覚えておく
地震については、海溝型地震と直下型地震という2種類を覚えましょう。
●海溝型地震
海溝のところで、押された大陸プレートが元に戻ろうとしたときに起きます。津波をともなうこともあります。
東北地方太平洋沖地震(2011年3月11日)…東日本大震災
大正関東地震(1923年9月1日)…関東大震災
●直下型地震
押された大陸プレートが、我慢できずにビリッと壊れ、断層(だんそう)をつくるときに起きます。または、すでにある地下の活断層(かつだんそう)がズルッとずれたときにも起こります。
兵庫県南部地震(1995年1月17日)…阪神淡路大震災
新潟県中越地震(2004年10月23日)
地震の規模と揺れ…「震源」と「震央」の違いとは?
みんなはニュース速報で、「地震のニュースをお知らせします。先ほど、午後X時X分ごろ、XX地方で地震がありました。震源はXX県中部、震源の深さは約10km。地震の規模を示すマグニチュードは5.8です。各地の震度をお伝えします。震度5強は……。なお、この地震による津波の心配はありません」という内容の放送を聞いたことがありませんか?
さあ、重要な言葉が出てきましたよ。
まず、震源と震央(しんおう)の違(ちが)いは簡単です。
実際に地震が起きたところが震源で、その真上の地点が震央です。
マグニチュードは地震そのものの規模のことを指します。
震度は、実際にある地点がどれくらい揺れたかを表すものです。これはよく勘違(かんちが)いするところなので、説明しておきましょう。
ある日、なんの前触(ぶ)れもなく先生の家のトイレが大爆発しました。大爆発でも、遠くにいるみんなにはなんの被害もありませんね。たぶん爆発があったことにも気がつかないでしょう。
でも、この本が急に爆発したらどうですか? 小さな爆発でもすぐ近くにいるから大変です!
大きなマグニチュードの地震でも、遠く離れていたらほとんど揺れません(震度は弱い)。逆に、小さなマグニチュードの地震でも、すぐ近くで起きたらとても揺れる(震度は強い)ということです。あくまでたとえ話で、トイレも本も爆発はしないので安心してくださいね。
震源…実際に地震が起こった場所
震央…震源の真上のところ
マグニチュード…地震の規模(エネルギー)を表す
震度…ある地点がどれだけ揺れたかを表す目安
マグニチュードと震度の「段階」を知っておこう
マグニチュードは、値が2上がると、規模が1000倍になります。2段階で1000倍なので、1段階上がると地震の規模は約32倍。
□×□=1000
約32×約32=1000です。
震度は震度0から最大震度7までの10段階に分かれています。
0、1、2、3、4、5弱、5強、6弱、6強、7の10段階となります。基本的に、震源に近ければ近いほど大きな震度となりますが、土地の状態などによっても実際の揺れ方には違いが出ます。
地震の波と震源からの距離
地震の起こったときを思い出してみてください。
「カタカタカタカタカタカタ………グラグラグラ」という感じですよね。
地震には、最初にカタカタとくる小刻みな揺れと、あとからグラグラとくる大きな揺れをもたらす二つの波があります。
二つの波があることを利用し、各地に置いた地震計に小刻みな揺れが届くと、そのデータを短時間で処理し、あと何秒くらいで大きな揺れがくるかを予測して知らせるしくみが「緊急地震速報」です。スマホが一斉(いっせい)に鳴り出す、あれですね。
二つの波は、P波とS波と呼ばれています。
P波は最初にカタカタカタカタカタカタってくる小さな揺れ(初期微動)、S波は、途中からグラグラくる大きな揺れ(主要動)をもたらします。
●P波(初期微動をもたらす波) …約8km/秒
●S波(主要動をもたらす波) …約4km/秒
P波が到達してからS波が到達するまでの時間を、初期微動継続時間(しょきびどうけいぞくじかん)と言います。覚えておきましょう。